Robidium – Robotic Process Mining Tool
「Robidium」は2020年9月にリリースされたRobotc Process Mining Toolです。
「Robotic Process Mining(RPM)」をご存じの方はまだ少ないでしょう。RPMは、タスクマイニングツールの一種です。
タスクマイニングは、PC操作ログ、すなわち、ブラウザーやエクセルなどを利用したPC作業を詳細に収集・記録し、個人単位での「タスク手順」を見える化してくれるソリューション。一般に、タスクマイニングの基本機能は、PC操作ログの収集からタスク手順の見える化までです。
しかし、RPMでは、さらに定型業務(ルーティンワーク)を自動的に抽出し、さらにそれをRPAのスクリプトとして記述してくれます。ソフトウェアロボットによる定型業務自動化までをカバーしてくれるので「Robotic Process Mining」と呼んでいます。
さて、RPMツール、「Robidium」による、PC操作ログの収集からRPAスクリプトの記述までの全体像は下図の通りです。
Source: Robidium Presentation
PC操作ログは、英語では、「UI(User Interaction)ログ」と呼ぶのが一般的です。ユーザーが、情報システム(PC上のアプリケーション)を操作する作業を詳細に記録します。(上図には記載ありませんが、ログ収集の対象となるPCにUIログ収集用のセンサー「RPA_UILogger」のインストールが必要です)
蓄積したUIログに対して分析を行い、ログの中から定型業務と想定される手順を自動的に抽出してくれます。(分析する前に、UIログデータのクリーニングのため、重複した業務などのノイズをフィルタリングしてくれる機能が別途あります)
自動的に抽出された定型業務のうち、RPAによる業務自動化が適切と考えられるものについては、RPAスクリプト(現在はUiPathのみ)を自動記述します。
RPAスクリプトが作成されたら、RPA(UiPath)でスクリプトを展開し、対象となった定型業務の流れが間違いなく実行されるかを検証した上で実装する。
以上ご説明したように、Robidiumでは以上のような手順でPC操作ログの収集からRPAロボット実装までの手順を支援してくれるツールであり、まだまだ技術的な課題があるものの、今後の普及が期待されます。
Robidiumのクラウドバージョンは現在無料でトライアルできます。
→ http://robidium.cloud.ut.ee/
以下、Robiduimの主な流れを示します。
Robidiumのトップページ
トライアル用のサンプルデータはトップページからダウンロードです。
データ前処理済のUIログをアップロードします。
*前処理機能は未提供
パラメターの設定を行い、「IDENTIFY ROUTINES」を押下して分析を実行します。
定型業務(Routine)が4つ抽出されました。
定型業務の詳細手順を確認します。
RPAスクリプトを作成したい定型業務を選択し、「GENERATE SCRIPT」を押下するとスクリプトが作成されますので新規ファイルとして保存します。
UiPathから上記スクリプトを展開します。以下はスクリプトの中身です。
この後は、RPAツールでの作業となります。