プロセスマイニング導入可否判断のための簡易フローチャート

Flow Chart for Validating Process Mining Introduction for your organization

自社にとって「プロセスマイニング」の方法・ツールを導入することが妥当かどうかを判断するための簡易的な判断フローチャートを以下に示します。

プロセスマイニングは、業務分析のためのひとつの手法・ツールです。業務運用を効率化したり、支援してくれる各種ソリューション(SFAやRPA、OCRなど)とは異なり、あくまで現状を把握し、問題点を抽出することが主要な目的となります。

process mining validity check flow chart

上記フローチャートのゴール、「業務プロセス改善の取り組みを開始しましょう」にたどり着いた方は、ぜひお問い合わせからご連絡ください。具体的な進め方についてご相談に乗ります。

プロセスマイニング入門(6)プロセスマイニングと関連ソリューション

process mining and related solution

Introduction to Process Mining (6) Process Mining and Related Solution

今回は、プロセスマイニングの隣接分野、関連ソリューションとの関係性について解説します。

ビジネスインテリジェンス(BI)の視点から

プロセスマイニングは分析手法のひとつです。ビジネスへの適用を前提とすると下図の通り、一番大きな枠として「ビジネスインテリジェンス」があり、その内側に「プロセスインテリジェンス」、さらにその内側に「プロセスマイニング」があるという入れ子構造になっていると考えることが可能です。

まずビジネスインテリジェンスですが、文字通り、ビジネスに関わるあらゆるデータ・情報を分析対象として収集し、分析するものです。いわゆるBIツールを用いて分析することが多いですが、典型的には、売上や利益などの財務データをベースに、年度別、月別、週別などの推移を見たり、エリア別や製品別にドリルダウンして、売上や利益に貢献しているエリアや製品カテゴリ、逆に足を引っ張っている要因がどこかを掘り下げて分析する。これがビジネスインテリジェンスです。

ビジネスインテリジェンスのうち、特に業務プロセスに関わるデータ・情報に絞って各種分析を行うのが「プロセスインテリジェンス」です。さらに、プロセスインテリジェンスの中で、業務の流れ、すなわち「コントロールフロー」を核とする分析手法が「プロセスマイニング」です。

このようにみると、プロセスマイニングは大きくはビジネスインテリジェンスに含まれるため、ビジネスインテリジェンスで代替できるのではないか、とおっしゃる方もいます。

しかし、プロセスマイニングの基本機能である「(自動的な)プロセス発見」には、特殊なアルゴリズムが必要であり、BIツールには、このアルゴリズムは通常、実装されていません。また、BI機能に基づいて、プロセスマイニング用のアルゴリズムをゼロベースで組むのは現実的には不可能です。(初歩的なものは組めたとしても、それによって、再現されたプロセスモデルの信頼性は低いものでしょう)

したがって、プロセスマイニングを実行したければ、専用のプロセスマイニングツールの採用が必要になり、BIで代替することはできません。

では、プロセスインテリジェンスがカバーする領域はどこになるのでしょうか?

プロセスマイニングツールでは、特殊なアルゴリズムを用いて行うプロセス発見以外に、様々な統計数値を算出し、様々な表・グラフで表現する機能が備わっています。

例えば、分析対象としたプロセスに含まれる案件数、プロセスの開始から終了までのスループット(サイクルタイム)や、各アクティビティごとの処理数、処理時間、あるアクティビティから別のアクティビティまでの移行時間、すなわち待ち時間などです。そして、これらの数値に関して平均、最大・最小、中央値、標準偏差などを併せて確認することが可能です。

こうした統計数値の算出は、シンプルな四則演算ベースで可能であり、特殊なアルゴリズムは言うまでもなく必要ありません。BIでも簡単に実行できますが、これこそ「プロセスインテリジェンス」がカバーしている領域です。

プロセスマイニングによる分析においては、アルゴリズムを通じて発見された「プロセスモデル」(as isプロセスモデル)を起点に、様々なバリエーションを検証する「バリアント分析」や、理想プロセス(to beプロセス)との比較分析、すなわち適合性検査などを行います。

さらに、処理時間がKPIを超えている問題アクティビティや、待ち時間が長くなっているボトルネックを特定していきますが、ここで重要になってくるのが処理件数や処理時間、待ち時間などの基本統計数値です。

すなわち、プロセスマイニングでは、プロセスモデルと併せてプロセスインテリジェンスの数値を様々な視点で掘り下げることを行うわけです。

主要なプロセスマイニングツールでは、プロセスモデルを作成するアルゴリズムは当然として、プロセスインテリジェンス機能、特に、様々な数値をビジュアルに表現するダッシュボード機能が標準で装備されています。この意味では、現在のプロセスマイニングツールは、「プロセスインテリジェンスツール」と言い換えても全く支障がないと言えます。



BPM、データマイニング・AIとの関係

プロセスマイニングと密接な関係がある隣接分野があります。ひとつはデータマイニング・AI、もうひとつはBPM(Business Process Management)です。

まずは「データマイニング・AI」とは何かから説明します。データマイニングは、基本的にビッグデータを対象とした分析手法であり、その主な目的はものごとの因果関係や典型的なパターンのような「法則性」を発見して、様々な意思決定に役立てることです。

例えば、各地の気温、湿度などの天候情報を大量に収集し、データマイニングでそのデータを分析することで、どのような状況において晴天になりやすいのか、それとも雨天になりやすいのかの予測式がつくられ、天気予報に活用されています。

データマイニングでは、数十年前から活用されてきた「多変量解析」の手法、例えば、回帰分析や、クラスター分析、決定木分析に加え、近年は主にニューラルネットワークによるディープラーニングが飛躍的な進歩を遂げ、ものごとを判別したり、予測する精度が大きく向上しています。一般に、これらの分析手法のことは「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」と呼ばれますが、AIはデータマイニングにおいて頻繁に利用される手法なので、当記事では「データマイニング・AI」と一括りにしています。

さて、データマイニングはあらゆる分野のあらゆるビッグデータを分析対象としますが、基本的に「プロセス」を対象とはしてきませんでした。ある瞬間、すなわちスナップショット的な静的なデータを抽出して、要約したり、分類したり、因果関係を見出してきたりしたのです。

一方、プロセスマイニングは、文字通り、時系列のひとつながりになった動的なデータから、プロセスの流れを描き出すこと、すなわち「プロセスモデル」を作成することが基本にあります。もちろん、プロセス処理件数や処理時間など、プロセスに関わる静的な各種統計量も併せて算出する点は、データマイニングと共通しています。

こう考えると、データマイニングとプロセスマイニングは、分析手法としては兄弟分のようなものです。(どちらにも「マイニング」という言葉が含まれていますし)

ただ、プロセスマイニングを主体に考えると、プロセスに関わる様々な分析を深めていくうえで、データマイニング、AIの手法が応用されています。例えば、現在処理中の案件(ランニングケース)の終了までのリードタイムを推測するためには、データマイニングにおける「予測分析」が採用されています。

それ以外にも、必要に応じて、クラスター分析や決定木分析などが活用可能であり、今後も、プロセスマイニングツールとしての分析の幅や精度を高めるためにデータマイニングの手法がプロセスマイニングに取り入れられていくと考えられます。

では次に、BPM(BPM)について考えてみましょう。BPMはシンプルにいえば、プロセスを改善することを目的として、プロセスの現状を分析し、問題点を解消するto beプロセスを設計し、現場に展開・監視を行う一連の活動です。

このBPMの活動のうち、とりわけ「現状分析」において、プロセスマイニングの基本アプローチのひとつ、「プロセス発見」は役立ちますし、その後の設計、展開、監視においても、プロセスマイニングが提供できる「適合性検査」、「プロセス強化」のアプローチはBPMにとって強力な武器となりえます。

このように、プロセスマイニングとデータマイニング・AI、BPMはお互いに補完しあえる関係にあると言えます。プロセスマイニングのゴッドファーザー、Wil van der Aalst教授は、「プロセスマイニングは、データマイニングとBPMをつなぐ橋である」と述べられていますが、まさに、BPMの取り組みにおいて、プロセスに特化したデータマイニングとしての「プロセスマイニング」は大きな役割を果たしていくと思われます。


プロセスマイニングの前工程と後工程

業務プロセス改善の取り組みにおいて、プロセスマイニング活用を中心に置くと、プロセスマイニング分析を行う前工程としての「データ前処理」に関わるソリューションと、プロセスマイニング分析後の実際の改善施策としての様々なソリューションが存在します。

データ前処理は、ERPなどの業務システムから分析対象となるデータを抽出し、プロセスマイニングツール(およびタスクマイニング)で分析できるデータ形式へと整形する作業です。

業務システムから抽出した生のデータをそのままプロセスマイニングツールにアップロードできることは基本的にありません。抽出されたデータは複数のファイルで構成され、実際の取引履歴であるトランザクションデータ以外に、参照するためのマスターファイルが含まれています。また、データには抜け漏れ、文字化けなど、そのままでは分析できない箇所が存在するため、適宜削除、補正するなどの作業が必要です。これを「データ前処理」と呼びます。

データ前処理は、SQLやPythonなどで処理プログラムを記述することで高速に行えますが、こうした言語を知らなくても、データ前処理を簡単に行えるETLツールの利用を私はお勧めしています。ETLツールもいろいろとありますが、オープンソースで操作も簡単な「KNIME(ナイム)」が一押しです。

さて、プロセスマイニング分析後に発見した問題を解決するための施策としてのソリューションには、まずRPA(Robotic Process Automation)によるタスク自動化が挙げられます。また、プロセス単位で一定の業務手順を自動化するためにはビジネスプロセスマネジメントシステム(BPMS)の採用が有効でしょう。また、業務を遂行するためのリソース最適化のために、アウトソーシングサービス(BPO)の活用も検討に値するでしょう。

なお、プロセスマイニングを軸とする継続的プロセス改善のためには、分析対象となる各種データを長期に亘って蓄積し、柔軟に抽出できる仕組みが有効です。したがって、データウェアハウス(DWH)やデータレイクと呼ばれる分析系システムを構築して、実運用によって不断に生み出されるデータを収集・蓄積しておくことが望ましいです。

deta preparation process mining and dwh

プロセスマイニング入門(5)プロセスマイニングの適用対象・範囲

Introduction to Process Mining (5) Application areas of Process Mining

今回は、プロセスマイニングによる分析が可能な適用対象について、いくつかの視点で解説します。

システム・テクノロジー視点

まず、システムやテクノロジーの視点でプロセスマイニングの分析が可能なものについて概説します。

プロセスマイニングは1999年に研究がスタートしました。もともと、ビジネスプロセスマネジメント、ワークフローといった業務プロセスの可視化を目的として始まった分析手法ですので、分析対象となったのは企業の基幹システムである「ERP」です。こうしたシステムは取引履歴がDBに詳細に記録・保持されています(「大福帳型DB」とも言います)。

取引履歴、すなわちトランザクションデータには、業務システムの操作の節目となるアクティビティ、タイムスタンプ、そして案件IDが基本的に含まれており、プロセスマイニング分析が容易に行えるデータだと言えます。

また、ERPと並んで、CRM(SFA含む)システムから抽出される業務システム操作ログは営業管理、顧客管理に関わるデータであり、プロセスマイニングの分析対象として有効です。

もちろん、個々の企業が独自開発したレガシーシステムについても、それがどんなコンピュータ言語で開発されていようとも、「業務システム操作ログ」が記録・保持されていればプロセスマイニングでの分析が可能となります。(多くの場合、レガシーシステムでも業務システム操作ログ、あるいはトランザクションデータはなんらかの形で記録されています。)

また、コールセンターでの顧客からの問い合わせの対応履歴を管理するCTI(Computer Telephony Integration)や、ITヘルプデスクのためのシステムからは、問い合わせ対応や、チケット対応履歴データが抽出できます。この、いわゆる「コミュニケーションログ」も、プロセスマイニングではしばしば分析されます。迅速な解決のための対応プロセスの改善により、顧客満足の向上を目指すことが主な目的です。

Webサイトの訪問履歴、すなわち「Webアクセスログ」も、訪問者のセッションID(Cookieも可)、訪問したページ(=アクティビティ)、タイムスタンプの3つの必須データ項目が含まれており、Web上での顧客の振る舞いを分析するためにプロセスマイニングが採用されます。顧客の行動をプロセスマイニング分析することは「カスタマージャーニーマイニング」と呼ばれています。

さて、意外な分析対象なのが、「機器操作ログ」です。「マシンログ」とも言いますが、これまでしばしば分析されているのが医療機器、具体的にはCTやMRIといったものです。分析目的は、稼働率の向上や適切に利用されているか、といったものです。

また、近年、IOT(Internet Of Things)が注目され、あらゆる場所にセンサーが設置されることで、センサーが捕捉したログが大量に発生しています。センサー捕捉ログはデータ量が大きく、ノイズが大量に存在しますが、適切にデータ前処理を行うことでプロセスマイニングを実行できます。

最後は、エクセルやブラウザーの詳細な操作履歴を収集したPC操作ログです。PC操作ログは、業務システム内に保存されているイベントログと異なり、分析対象PCに操作内容を収集するエージェントをインストールして能動的に蓄積する必要があります。PC操作ログは、タスクレベルの業務内容の見える化が可能であることから、「タスクマイニング」と呼ばれます。このPC操作ログはIOT同様、データ量が膨大でノイズが多く含まれますが、データ前処理を行うことでプロセスマイニングツールでの分析が可能です。

application system view process mining

バリューチェーン視点

下図は、企業活動を価値を生み出し、顧客に提供する仕組みとして構造化してもので「バリューチェーン」と呼ばれています。ここでは、バリューチェーンの視点でプロセスマイニングの分析対象を考えてみましょう。

様々な企業活動において、収益を得て事業を継続する「価値創出プロセス」は、

購買物流→製造→出荷物流→販売・マーケティング→アフターサービス

の流れです。この価値創出プロセスの多くは現在、ERPや、CRM(SFA)などの業務システム、またSaaS型の各種アプリケーションで遂行されるようになってきており、どの段階においても、プロセスマイニング分析による継続的改善が行われるようになってきました。

また、この価値創出を支えるさまざまな機能、すなわち調達活動、技術開発、人事労務管理、全般管理についても、システム化が進行している管理についてはプロセスマイニングが採用されるケースが増えてきています。

例えば、人事労務管理の領域になりますが、新規採用人材の受け入れプロセスである「オンボーディング」を効果的、効率的に行うための改善を目的としてプロセスマイニングが採用されています。

application value chain view process mining

分析対象となることの多い業務プロセス

最後に、これまでプロセスマイニングの分析対象となることの多かった業務プロセスをご紹介します。

まず、「受注(O2C)プロセス」、「購買(P2P)プロセス」は非常に多く分析されています。バリューチェーンの枠組みでは、まさに価値創出プロセスの根幹にある最も重要な業務だからでしょう。欧米では特に、ERP上で実行されることの多い業務プロセスであり、データの抽出、前処理の手順がある程度標準化できることも、分析対象とされることの多い理由です。

また、受注プロセスに含まれますが、倉庫などで、顧客からの発注を受けて在庫を割り当て、出荷を行うまでのプロセスが分析されることも多くなっています。

さらに、バリューチェーンの価値創出プロセスでは最下流にあたる「問い合わせ対応」やヘルプデスクも、手順がある程度定型化され、イベントログとしてシステムから抽出が容易なためプロセスマイニングが行われています。

経理部門に限定されるプロセスとして、「買掛金管理」、「売掛金管理」も、ERP上でほぼ完結し、分析が容易であることから、しばしば分析対象となります。

major application process mining

プロセスマイニング入門(4)プロセスマイニングの効用

Introduction to Process Mining (4) What Process Mining can deliver

今回は、プロセスマイニングの活用がもたらす主な効用(ベネフィット)について解説します。

経営的インパクト

まずは、経営的な視点で考えてみましょう。すなわち、プロセスマイニングの活用が、経営上のゴールともいえる売上や利益の向上にどのように貢献できるか、ということについてです。

第一に、「コスト削減」の成果が期待できます。プロセスマイニングによって業務プロセスが可視化されることにより、ムダな業務を洗い出すことが可能です。ムダな業務とは、たとえば、そもそもやらなくても支障のない業務や、ミス多発により手戻りが発生しやすい業務などです。こうしたムダな業務を除去したり、ミスを減らせるような手立てを講ずることで、業務プロセスの遂行コストの削減が可能となります。

第二に、「顧客満足度向上」が期待できます。例えば、受注から納品までの「受注プロセス」の場合、プロセスマイニングによる問題点の把握と改善を行うことによって、納期の短縮が図れます。顧客にとって、注文したものが以前よりも早く届くようになれば満足度は高まります。また、業務プロセスが最適化されれば、納期短縮だけでなく、発注したものとは違うものが届くといったミスも減ることも期待できます。すなわち、プロセスのスピード、および質の向上によって顧客満足度の向上が可能となり、結果的に受注金額の増大やリピート率改善につながることになります。

第三に、「従業員満足度の向上」も期待できます。プロセスマイニングによってあぶりだされたムダな作業や業務の滞留、すなわちボトルネックが解消されれば、業務プロセス完了に費やされる労働時間が減り、不必要な残業がなくなって総労働時間の短縮が可能となります。徒労に感じられるような業務に時間を取られることなく、効率的に業務を遂行できるようになり士気も高まることでしょう。

business impact by process mining

プロセス改善の手がかり

前項では、最終的な売上・利益にどのようにプロセスマイニングが貢献できるかを解説しました。ここでは、プロセスマイニング分析の結果から、どのようなプロセス改善につなげることができるかを説明します。

プロセスマイニングツールにイベントログをアップロードし分析を行うことでまず「現状プロセス」が可視化されます。ここから様々な現状分析を行っていきます。可視化された現状のプロセス(as is プロセス)からは以下のような問題点が発見できるでしょう。

・非効率なプロセス(想定よりも処理時間が長い箇所)

・ボトルネック(仕事が滞留している箇所)

・スタッフスキルのばらつき(個々人の生産性の違い)

・手戻り(繰り返し)プロセス

これらの問題が発見できたら、「なぜこのような問題が発生してしまうのか」を掘り下げます。「根本原因分析」です。結果、原因が特定できたら、その原因を解消するための改善施策を検討し展開します。改善施策としては以下のような打ち手が考えられます。

・プロセス変革(ムダ業務の除去、手順の見直しなど)

・要員配置の最適化(シフトの見直し等)

・スキルアップトレーニング(生産性の差を均すため)

・RPA化(定型業務を中心とした自動化)

・BPO化(要因配置計画をより柔軟に行うため)

また、可視化された現状プロセスのバリエーションの中に、優れた手順を発見することができたら、それを「理想プロセス(ハッピープロセスとも言います)」とみなし、標準化を図ります。そして、マニュアルを作成したりBPMシステムのワークフローとして組み込むことで全社に展開することが有効な打ち手でしょう。

一方、すでに標準プロセスが存在していた場合、それをto beプロセスとしてプロセスマイニングツールにアップロードすれば、現状プロセスとの比較分析(「適合性検査」と呼びます)を行うことで、標準から逸脱しているプロセスをあぶりだすことができます。

この逸脱についても根本原因分析を行い、即時是正を行ったり、法令遵守、すなわちコンプライアンス上の問題に発展する可能性がある場合には、対象部署に対するコンプライアンス研修などを行い、逸脱発生を未然に防ぐ施策を打ちます。

このように、プロセス改善、プロセスの標準化に向けての適切な改善施策を検討する前段となる、プロセス上の様々な問題を簡単に発見できることが、プロセスマイニングの直接的な効用だと言えます。

なお、プロセスマイニングツールと業務プロセスを接続可能とし、リアルタイムにイベントログデータをツールに流し込むことで、完了した案件だけでなく、未完了案件のリアルタイム監視も可能です。

リアルタイム監視の場合、現在仕掛り案件についてボトルネックや逸脱の発生を探知できることから、ただちに改善措置を行うことが可能となります。ツールによっては問題の発生を事前に予測することもでき、未然に問題発生を阻止することさえ行えます。こうした機能は「運用サポート」と呼ばれ、近年ユーザーの評価がますます高まっている、プロセスマイニングのベネフィットだと言えます。


業務分析手法としての効用

プロセスマイニングは、業務プロセス改善やシステム改修を主な目的とする現状把握のための業務分析のひとつです。従来の業務分析は現場ヒアリングなどアナログな手法であったのに対し、業務システムから抽出されたイベントログデータを分析するデジタルな手法です。

これまで述べてきた便益に加えて、業務分析手法としてのプロセスマイニングは従来のアナログな手法と比較してのメリットもあります。

従来手法は前述したように、分析対象となる業務プロセスに関わっている関係者に個別ヒアリングを行ったり、一堂に会して議論するワークショップ、またストップウオッチを手にしての観察調査(動作調査)などアナログな方法です。

ヒアリングやワークショップの場合、関係者の発言がベースになることから、ありのままの現実というよりは主観的なものになります。また、記憶に頼ったものになるため、得られる情報は断片的です。

なにより、長大・複雑なプロセスの場合関係者も多数存在し、ヒアリングやワークショップにかかる時間とコストは膨大なものになります。観察調査は主観性はある程度排除できるもののの実施の負荷は大きく、また業務遂行の邪魔になる可能性もあります。

一方、プロセスマイニング分析は、業務システムから抽出したイベントログデータにもとづく定量分析です。システム上の操作履歴を基本的に丸ごと、全数で分析するため、客観的かつ、漏れのないエンド・ツー・エンドのプロセスを再現することが可能です。

プロセスマイニング分析自体は、現場担当者に大きな負担をかけることはありませんし、データクリーニングなどの前処理の手間を含めても、従来手法よりも大幅な期間圧縮、コストダウンが可能です。

ただし、注意点があります。プロセスマイニング分析の分析対象は業務システムで行われた業務のみであり、エクセルなどで行われた中間ファイル作成業務などは捕捉できません。プロセスマイニングは、エンド・ツー・エンドのプロセスを見える化できるとは言え、その粒度は現実の業務よりは粗いものになります。

したがって、プロセスマイニング分析から得られた現状プロセスをベースに、漏れているタスクレベルの業務はやはり現場担当者へのヒアリングやワークショップを補完的に行う必要があります。もちろん、従来手法のようにゼロベースでのヒアリングよりは、はるかに的確で効率的な情報収集が可能となりますので、業務分析にプロセスマイニングを採用することのメリットは総合的には非常に大きいと言えるでしょう。

(新サービス)おためし分析パック

Process Mining Trial Analysis Service for Validity verification

有効性検証のための

プロセスマイニング分析おためしパッケージ

プロセスマイニングを採用してみたいが、自社にとって有効な手法・ツールなのかよくわからないという方のために、「おためし分析」のサービスパッケージをご提供します。

当サービスパッケージは、貴社イベントログのサンプルデータを用いてクイックに分析を行い、貴社にとっての有効性を検証するものです。分析に関わるほとんどの作業を当方にて行うため、貴社内のリソース負荷を最小限に抑えることができます。

また、ツール採用ありきではなく、貴社業務プロセス改善の枠組みにおいて最適なプロセスマイニング活用法や、貴社改善ニーズに合致したソリューションの選定をお手伝いします。

実施予算など詳細はお問い合わせページからご連絡ください。

以下、サービスパッケージ概要をお伝えします。


サービス概要】

目的:プロセスマイニングの有効性検証

当サービスパッケージは、プロセスマイニング(PM)による業務プロセスの可視化によって、貴社業務の効率化やコスト削減、顧客・従業員満足度向上、収益改善等に、プロセスマイニングが有効な手法かどうかを検証することを目的として実施します。


有効性検証のポイント

1 貴社業務プロセスに関わるイベントログ(操作履歴)が存在するか

  (業務遂行のために、なんらかのITシステムを一部でも活用しているか)

2 ITシステムから抽出可能なイベントログは、貴社業務プロセスを十分に再現できるか

3 ITシステムから抽出したイベントログは、PM分析が可能なデータ形式に加工・修正可能か

4 PM分析の結果から発見した業務上の問題は解決すべきものか・解決可能か

5 PM分析の結果から発見された業務上の問題を解決するためのリソース(予算、人員等)は確保できるか

(総合)PM分析を活用して業務プロセスを改善・改革する取り組みは、貴社の経営・事業戦略に照らして投資対象となりえるか


サービスパッケージ内容

process mining trial analysis procedure

標準実施スケジュール:最長2カ月(8週間)


実施予算など詳細はお問い合わせページからご連絡ください。

Webinar登壇 – ABBYY Timeline

Webinar – ABBYY Timeline

ABBYYジャパン主催のウェビナーにて、プロセスマイニングの概要、および最新トレンドについてお話いたします。

私の講演に続いて、ABBYY社のプロセスマイニングツールのTimelineの紹介、およびデモがあります。ABBYY Timelineは他のプロセスマイニングとは大きく異なるユーザーインターフェイスを持つユニークなツールです。ぜひご覧になってみてください。

以下、ABBYYジャパン様からの案内を転載いたします。


今こそ業務プロセスを把握し、業務の自動化、リモート化を実現!
— プロセスマイニングの基礎とABBYY Timeline紹介 —

セミナー概要:
コロナウィルスの大流行の後、新しい生活様式が求められる中、ワークスタイルの変革も急務となってきております。皆様が新たなワークスタイルを模索する上で、業務プロセスの見直しには欠かせないプロセスマイニングの基本、最新事情、プロセスマイニングツールでもあるABBYY Timelineの紹介を行います。
今回はゲストスピーカーとして、プロセスマイニング分野で日本の第一人者でもある、プロセスマイニング・イニシアティブ代表の松尾様をお招きし、プロセスマイニングの抑えておくべきコツ、最新事情など、ご講演いただきます。

セミナー日程:
2020年7月17日(金)15:00 – 16:00 第一回 お申し込みはこちら
2020年8月19日(水)15:00 – 16:00 第二回 お申し込みはこちら
※2回とも同じ内容になります。いずれかの回へご登録下さい。
※ご登録いただきました方へは、Webinarで使用した資料を後日ご提供予定です。

VPCで考えるプロセスマイニングの価値提案

Value Proposition of Process Mining based on VPC (Value Proposition Canvas)

当記事は、プロセスマイニングツール、および関連サービスを提供する方を対象としています。

さて、プロセスマイニングの導入・活用を検討している見込みユーザー(企業・組織)に対して、プロセスマイニングの価値をどのように説明したらいいのでしょうか。

そこで、今回プロセスマイニングの価値を適切に伝えるために役立つ「VPC (Value Proposition Canvas)」の枠組みを使って考えてみましょう。

まず、VPC (Value Proposition Canvas)について説明します。VPCは、ビジネスモデルジェネレーションの方法論において紹介されているもので、顧客ニーズを明確化し、そのニーズを充足するための価値提案の方向性を検討するために役立つ枠組みです。

VPCは、大きくは「顧客プロフィール」と「価値提案」の2つの要素に分かれており、両者をマッチングするように以下の項目を埋めていきます。


顧客プロフィール

 ・顧客の課題

   顧客が解決したい課題、取り組みたいこと

 ・顧客の利得

   上記課題が解決されることによって顧客が得る便益、うれしいこと

 ・顧客の悩み

   顧客が課題解決に取り組む上での悩みや嫌なこと

価値提案

 ・利得をもたらすもの

  顧客が得る便益を生み出す製品・サービスの機能や特徴

 ・顧客の悩みを除去するもの

  顧客が抱える悩みを解消できる製品・サービスの機能や特徴

 ・製品サービス

  実際に顧客に販売したい製品・サービス


では、プロセスマイニングのツールや関連サービス(データ前処理、ツール操作トレーニング、プロセスコンサルティングなど)について、VPCを作成してみましょう。

顧客プロフィール

 ・顧客の課題

   業務プロセスの改善、またDX、すなわちデジタルトランスフォーメーションの推進によってデジタルツイン(DTO: Digital Twin Organization)を実現すること

 ・顧客の利得

  プロセス遂行の効率が向上する結果、コストが削減でき利益が拡大する

   プロセスのリードタイム、スループットが短縮化され、納期等が早くなることで顧客満足度が向上

   コンプライアンス違反となる逸脱プロセスを是正できコンプライアンス遵守率が向上

   現在処理を行っている最中の案件について問題(ボトルネック化など)や逸脱を探知して即時是正

1回限りの改善ではなく、常にベターなプロセスを目指して継続的なプロセス改善が行える

 ・顧客の悩み

   現状を把握するための現場担当者の協力を得るのが大変、ヒアリングやワークショップの調整にも手間がかかる(従来の手法では)

   プロセスを分析するコストが高い(従来の手法では)

   プロセスを分析するための期間が長い(従来の手法では)

プロセスマイニングの価値提案

 ・利得をもたらすもの

  プロセスの見える化、根本原因分析が行え、容易に問題を発見し、改善できる

  規範モデル(to beモデル)との比較分析により、逸脱プロセスを容易に発見、改善できる

  シミュレーションにより、改善効果の事前検証を行える

  予測分析により、現在進行中案件における問題発生を予防できる

  リアルタイム監視により、現在処理中の案件の問題や逸脱を即時発見、是正

 ・顧客の悩みを除去するもの

  情報システムから抽出したイベントログからプロセスが可視化できるため、現場ヒアリングの工数が削減できる

  プロセス分析に係るコストも従来手法と比較して大幅削減できる

  プロセス分析に必要な所要期間も、従来手法と比較して大幅削減できる

  アラート機能で、問題・逸脱発生をリアルタイムに通知

 ・製品サービス

  プロセスマイニングツール

  関連サービス(トレーニング、データ前処理、プロセスコンサルテーションなど)

value proposition canvas - process mining

いかがでしょうか。これは私なりの価値提案であり、ご自身で「ここはちょっと違うな」と感じたところは、ぜひ修正してみてください。

BMGで考えるプロセスマイニングビジネス

business model generation - process mining

Process Mining Business from the View Point of Business Model Generation

今回は、ビジネスモデルジェネレーション(Business Model Generation、以下BMG)の枠組みで、プロセスマイニングビジネスの構成要素をご説明しましょう。ここで、プロセスマイニングビジネスとは、プロセスマイニングツール、および関連サービスを提供する事業のことです。

プロセスマイニングは、コロナ時代を乗り切るため、ビジネスプロセスの根本的改善、またDX推進の必要性が高まったことで、より一層注目が高まりつつあります。日本では、プロセスマイニングの普及が始まったばかりです。最近、コンサルティングファームやSIerを中心に、プロセスマイニングベンダーとパートナー契約を結び、プロセスマイニングビジネスに乗り出す企業が次々と登場しています。

さて、BGMは文字通り、「ビジネスモデル」を生み出すための枠組みであり、以下の9つの要素で構成されます。(BGM自体の詳細は関連書籍などでご確認ください)


1 CS (Customer Segments) - 顧客セグメント

2 CR (Customer Relationships) - 顧客との関係

3 CH (Channels) - チャネル(販売方法)

4 VP (Value Proposition) ー 価値提案

5 KA (Key Activities) - 主な活動

6 KR(Key Resources) - 主なリソース

7 KP (Key Partners) - キーパートナー

8 RS (Revenue Streams)  - 収入の流れ

9 CS (Cost Structure) - コスト構造

BMGをざっくり言うと、どんな顧客を対象として、どんな価値を提案するのか、そのためにどのようなリソースを用いてどんな活動をどんなパートナーと行っていくのか、その結果としてどのような売り上げ構造とコスト構造になるかを明確化するものです。

BMGに基づいて事業の在り方を明確化することで、戦略立案、体制づくり、予算確保など具体的な事業計画に落とし込んでいくことが可能となります。


では、BMGに基づいて、「プロセスマイニングビジネス」のビジネスモデルを展開してみましょう。下図は、ビジネスモデルキャンバスと呼ばれています。BMGの9つの構成要素を一覧できる形になっています。

Business Model Canvas - Process Mining

この図に示されている項目は、プロセスマイニングビジネスに取り組む企業の一般的なビジネスモデルと言えます。私自身も、このビジネスモデルに沿って事業展開を行っています。

それでは、各構成要素について簡単に説明しましょう。


1 CS (Customer Segments) - 顧客セグメント

プロセスマイニングを提案する主要なターゲットセグメントは、複雑なオペレーションを有する大手企業となります。その理由はまず、業務プロセスにおける様々な課題を抱えており、改善による収益増、コスト削減効果が高いことがひとつ。もうひとつは、プロセスマイニングツールを活用した業務プロセス改善の取り組みは相応の予算(数百万~数千万)が必要であるためです。

また、実際の導入検討に関わる主な部署は、業務プロセス改善やDX推進の主体となることの多い経営管理部門や、BPRチームです。企業によっては、CoE(Center of Excellence)と呼ばれる専任部署を設置していることがありますが、CoEもまたプロセスマイニングを活用する担当部署となることが多いでしょう。

プロセスマイニングツールはITとしての側面もあるため、情報システム部門が担当部署となる場合もあり、キーパーソンはCIO(Chief Information Officer)です。

2 CR (Customer Relationships) - 顧客との関係

プロセスマイニングは、業務プロセス改善やDX推進のための一連の方法論です。

ツールは短期のBPRプロジェクトなどで採用されることもありますが、処理中プロセスのモニタリングとしての活用も増加しており継続的な利用へと駒を進めていくべきでしょう。

また、プロセスマイニングツールを提供すれば終わりではなく、ツール操作方法のトレーニングに加えてデータ前処理、分析後の改善施策の立案実行など、ユーザー企業の社内では賄えないところについては、付帯的な支援を短期、または長期に行っていく必要があります。

3 CH (Channels) - チャネル(販売方法)

ここのチャネルは、顧客獲得のためのマーケティング施策を記載しています。

プロセスマイニングは高度で複雑な取り組みであり、その仕組みやメリット、導入手順をユーザー企業に理解してもらうのは簡単ではありません。したがって、コンテンツマーケティングを主体にSEO・SEMを実施すべきでしょう。

また、高額なサービスとなりますので問い合わせから成約までの期間はどうしても長くなります。したがって、イベント・セミナーも開催して顧客との関係性を深めつつ、メールマーケティングを通じた継続的な情報提供を行い、ホットリードを営業に渡すという流れになります。

4 VP (Value Proposition) ー 価値提案

プロセスマイニングを活用することの価値は、まずは業務プロセスを見える化できることでの課題発見があります。さらに、シミュレーション機能を使ってRPAによる自動化がもたらしてくれる改善効果などを事前に検証することが可能です。

そして、最終的な成果としては、プロセスが改善されたことによって総所要時間、すなわちスループットが短縮化するため受注プロセスでは顧客満足度の向上、また効率化によるコスト削減効果があります。

また、プロセスマイニングは、それ自体が目的ではなく、業務プロセス改善における「業務分析」の一環として行うものですが、従来の手法(現場担当者へのヒアリングやワークショップ等)よりも、期間短縮、コスト削減が見込めます。

5 KA (Key Activities) - 主な活動

プロセスマイニングビジネス推進するための主な活動としては、顧客獲得のためのマーケティング、直接営業、および協働するパートナーの支援に加えて、成約後のプロセスマイニング導入の支援、およびクライアント自身がツール操作やプロセスマイニングを活用したプロセス改善を行えるようになるためのスキルトランスファー、カスタマーサクセス(カスタマーサポート)を行う必要があります。

6 KR(Key Resources) - 主なリソース

上記主な活動を実行するために必要なリソース、すなわち人材としてはまず、プロセスマイニングに通暁したエキスパート(ツール操作にも習熟)、そして、分析対象となるイベントログを作成するためのデータ前処理(データクリーニング等)を行うデータサイエンティストが不可欠です。

ITシステムからイベントログ(多くの場合、トランザクションデータ)を抽出するためにはITエンジニアの助けが必要となります。

プロセスマイニング分析結果から明らかになったプロセス上の課題については、具体的な改善策の立案、実行のため、プロセス改善を支援するプロセスコンサルタントが活躍します。

7 KP (Key Partners) - キーパートナー

前述したように、プロセスマイニングは高度で複雑な取り組みであり、主なリソースとして様々なスキルを有した人材で推進チームを編成する必要があります。主なリソースをすべて社内で揃えられるのであれば問題ありませんが、基本的にはコンサルティングファーム、SIer、BPOプロバイダーなどとパートナー契約を結び、プロセスマイニングビジネス展開のエコシステム(生態系)を構築する必要があるでしょう。

8 RS (Revenue Streams)  - 収入の流れ

プロセスマイニングビジネスにおいては、ツールを提供するだけでなく、プロセス改善プロジェクトに則した様々な付帯サービスを提供できなければならないことから、ライセンスフィー以外の収益源も多岐に渡ります。

ライセンスフィーによる収益もさることながら、データ前処理やプロセスマイニング分析の実行、その後のプロセス改善支援などのコンサルティングサービスからの売上も大きくなります。

9 CS (Cost Structure) - コスト構造

プロセスマイニングビジネスに関わる直接コストとしては、ツールベンダーに対する各種支払い以外では、人件費とマーケティング費用が大半を占めます。


以上、プロセスマイニングビジネスのビジネスモデルをBMGの枠組みで解説しました。

プロセスマイニングビジネスはその先に、BPMS(Business Process Management System)やRPAの導入など広がりもあり、非常に有望な事業です。ぜひ貴社ならではのビジネスモデルを開発してみてください。

プロセスマイニングの進化

evolution of process mining

Process Mining Evolution – from Process Mining 1.0 to 2.0

当記事では、プロセスマイニングが今後どのように進化していくのかについて簡単にご説明します。プロセスマイニングベンダーは現在、この進化の方向に向かってツールの機能拡張に取り組んでいます。

プロセスマイニングとは、業務システムから抽出したイベントログデータに基づいて、現行業務プロセス(as isプロセス)を可視化し、非効率な手順やボトルネックなどを発見する「分析アプローチ」です。その目的は、業務プロセスの継続的改善にあります。多くの場合、大量のデータを扱うことから、ビッグデータ分析のひとつと言えます。またデータマイニングとも近い関係にあります。

さて、日々遂行される業務プロセスの継続的改善を目的としていることから、プロセスマイニングの分析アプローチは「記述的分析」を起点に、「処方的分析」に向けて進化を始めています。なお、これは、一般的なデータマイニングにおける分析アプローチの進化と軌を一にしています。


記述的分析 – Descriptive Analytics

記述的分析とは、ありのままの現状を把握することです。

イベントログから現行プロセスを「プロセスフローチャート」の形で見える化する機能、すなわち「プロセス発見(Process Discovery)」で得られるものであり、プロセスマイニング分析の最も基本的な機能です。(したがって、この機能がないものはプロセスマイニングツールとは呼べません)

診断的分析 – Diagnostic Analysis

診断的分析とは、記述的分析で得られた現行プロセスモデルにおける問題点(非効率やボトルネックなど)の要因分析を行うものです。

「なぜ、この箇所は想定より時間が掛かっていて非効率となっているのか」、「なぜ、ここで処理待ちが多く発生しているのか、すなわちボトルネックなのか」というなぜを追求します。「根本原因分析(Root Cause Analysis)」と呼ばれる深堀り分析です。

予測分析 – Predictive Analytics

予測分析では、現在仕掛中の未完了案件(Running Case)をリアルタイムに分析し、今後どうなりそうかを予測します。

記述的分析、診断的分析では、完了済、すなわち過去のイベントログデータを分析しますが、さらに、予測モデルを開発することで、未完了案件の未来の振る舞いを確率的に予測します。すなわち、次に起こりえる活動(Activity)はなんになる可能性が高いか、また、終了までの所要時間はあと何時間になりそうか、といったことを予測し、担当者に伝えます。

ある案件の今後の流れが好ましくない方向に行きそうである、またKPIの目標値よりも所要時間が長くなりすぎて約束納期を過ぎてしまう、といったことを事前に知ることができれば、適切な予防策を講じることが可能となります。

処方分析 – Prescriptive Analytics

処方分析は、単に今後のプロセスの振る舞いを予測するだけでなく、プロセス改善のために、どのような打ち手が望ましいかをアドバイスするものです。

医師が患者を診療して、熱やセキなどの症状を記述し、インフルエンザと診断、今後高熱がさらに続くと予測して、解熱剤を処方するように、業務プロセスの将来の悪化を予測したときに、どのような改善策を講じるかを提案する。これが処方分析です。


以上、説明してきた進化の4段階のうち、記述的分析と診断的分析は、多くのプロセスマイニングツールの機能として既に実装されています。また、ユーザーもこの2つの分析を活用していることから、「プロセスマイニング1.0」と言えるでしょう。機能としては、プロセス自動発見機能と関連する分析機能によって、根本原因分析を行います。

そして、予測的分析機能や、処方的分析機能を持つものは、「プロセスマイニング2.0」と呼ぶ先進的なプロセスマイニングツールです。一部のリーディングベンダーがこれらの機能へと拡張を始めているところです。

evolution of process mining

プロセスマイニング2.0の機能としては、以下の3つが挙げられますが詳細は別記事にて。

・予測的プロセス監視 – Predictive Process Monitoring

・処方的プロセス監視 – Prescriptive Process Monitoring

・自動プロセス改善 – Automated Process Improvement

なお、プロセスマイニング進化について詳しく調べたい方は、BPM、プロセスマイニングの専門家、Marlon Duma氏(エストニアTartu大学教授)の著作やスライドシェア資料、セッション動画をご参照ください。

プロセスマイニング事例: FREO

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Concise report of process mining case: FREO – Process Mining Camp 2020

プロセスマイニングツールとして最も初期から提供されているDiscoの開発・販売元、Fluxicon社は毎年、「プロセスマイニングキャンプ」と題したイベントを開催しています。

2020年のプロセスマイニングキャンプは、オンラインにて2020年6月15日(月)~24日(水)で開催されました。土日を除き1日1セッション、合計8セッションが行われ、様々な企業・組織でのプロセスマイニングの活用事例が報告されました。

PMI(Process Mining Initiative)では、一部のセッションについて重要なポイントに絞った簡潔なレポートを提供いたします。なお、セッション動画は後日、Fluxicon社より一般公開されます。


FREO – 日々の業務改善にプロセスマイニングを活用

FREOはオランダで消費者向けローンを提供しています。ユーザーの主なローン使途は、自動車購入、住宅リフォーム、既存ローンの借り換えなどです。ローンの申し込みはWeb、または電話で受け付け。ローンの申込件数は年間10万件以上、かかってくる電話は同2万件以上に上ります。

同社では、日々の業務管理(Operational Management)のため、BIツールのPower BIなどとともにプロセスマイニングツールを活用して、プロセス上の問題点を発見、継続的な改善を行っています。

さて、FREOの日々の業務、すなわちローン申し込みの受け付けから契約までは以下の段階で構成されています。このプロセスに従事するFREOのスタッフは60人以上です。


1 ローンの申し込み(Loan Application) – ユーザー

 ユーザー(消費者)から、Webまたは電話でローンの申し込みを受け付けます。

2 ローンの提案(Loan Offer) – 顧客接点チーム

 顧客接点チームが、申し込み内容に対して適切なローン商品を提案します。

3 書類確認(Loan Validation) – 顧客確認チーム

 顧客確認チームが、ローン申し込み者について必要な書類が揃っているかを確認します。

4 ローン審査(Credit Approval)- ローン審査チーム

 ローン審査チームが申込者の書類を審査し、ローンを提供するかどうかを決定します。

5 ローン契約(Contract)

審査がOKだった場合、ユーザーとローン契約を締結し、融資金額を銀行口座に振り込みます。


FREOでは、上記の日常業務に関してKPI(Key Performance Indicator)を設定しています。KPIは、大きくは以下の5つのカテゴリーです。


1 品質(Quality)

 工程が一回で問題なく終了するか(First Time Right)

2 迅速性(Timeliness)

 製品・サービスの提供スピードは速いか

3 受け入れ能力と生産性(Capacity and Productivity)

 効率的にメンバーの対応キャパが使われているか

4 費用と利益(Cost and Benefits)

 運用コスト、利益に与える影響度合い

5 顧客・従業員満足(Satisfaction)

 製品・サービスの提供プロセスに対する顧客、および構成メンバーの満足度


FREOでは、KPIの最初の3つ、すなわち「品質」、「迅速性」、「対応能力と生産性」が高まれば、結果的に「費用と利益」、および「顧客・従業員満足」は高まる関係にあると考え、最初の3つの改善に取り組んでいます。

そして、具体的なKPIの指標としては、マネジメントレベル、チームレベル、および日常業務レベルでそれぞれ以下のようなものがあります。


マネジメントレベル

 ・ローン申し込みから契約までの平均スループット(総所要時間)

チームレベル

 ・申し込みから初回コンタクトまでの平均所要時間(顧客接点チーム)

 ・書類受領から書類確認終了までの平均所要時間(顧客確認チーム)

 ・確認後書類受領からローン審査終了までの平均所要時間(ローン審査チーム)

日常業務レベル

 ・申込件数(全チーム)

 ・24時間で連絡した申込件数(顧客接点チーム)

 ・24時間で書類確認した申込件数(顧客確認チーム)

 ・24時間で審査した申込件数(ローン審査チーム)


同社ではこれらKIPをBIのダッシュボードで日々モニタリングすると同時に、問題点を発見するための深堀り分析にプロセスマイニングを活用しています。

プロセスマイニングでは、日々のKPIをモニタリングしているだけではわからない、実際の業務の流れが可視化できます。FREOのローン申し込みから契約までの業務プロセスにも様々な問題が発見できました。

たとえば、ユーザーが申し込んだ後、顧客接点チームが連絡してもユーザーから返信がない、あるいは商品を提案した後、書類が揃わない、などの理由で、それぞれ適切なフォロー施策を展開するため、様々な業務手順の分岐が発生しています。また、ローン受け付け、書類確認、ローン審査のそれぞれの段階に移る箇所で処理待ち、すなわちボトルネックが発生していることが定量的に把握できます。同社では、手順の組み換えやリソース(担当者)のアサインを柔軟に見直すなどして、問題の解消に当たっています。

同社では、プロセスマイニングを単なる問題発見ツールとしてだけでなく、実際の業務プロセスが可視化できることで、関係するメンバーが「すごい(Sense of Excitement)」と思ってもらうこと、また、非効率性やボトルネックが一目瞭然となることから「すぐに改善しなければ(Sense of Urgency)」という気持ちを喚起できる仕掛け、すなわちプロセス改善を着手させ(Initiator)促進する(Katalysator)ことのできる有益なアプローチとして活用しています。

Seventh Day of Camp – Freo – Process Mining Camp 2020

プロセスマイニング事例: AIG

simulation image

Concise report of process mining case: AIG – Process Mining Camp 2020

プロセスマイニングツールとして最も初期から提供されているDiscoの開発・販売元、Fluxicon社は毎年、「プロセスマイニングキャンプ」と題したイベントを開催しています。

2020年のプロセスマイニングキャンプは、オンラインにて2020年6月15日(月)~24日(水)で開催されました。土日を除き1日1セッション、合計8セッションが行われ、様々な企業・組織でのプロセスマイニングの活用事例が報告されました。

PMI(Process Mining Initiative)では、一部のセッションについて重要なポイントに絞った簡潔なレポートを提供いたします。なお、セッション動画は後日、Fluxicon社より一般公開されます。


AIG (USA) – Process Wind Tunnel(プロセス風洞)で確実な改善効果を

グローバルに展開する保険会社、AIGでは様々な業務プロセス改善に取り組んでいます。特に、米国AIGの”Data-Driven Process Optimization”と呼ばれる部署では、プロセスマイニング、シミュレーション、BIを組み合わせることで改善成果を積み重ねています。

Data-Driven Process Optimization部署では、プロセス改善の一連の手順を「プロセス風洞(Process Wind Tunnel)」と呼んでいます。自動車や航空機、建築物などの設計においては、風洞に模型を置いて風の流れ等を測定する「風洞実験」を行います。同様に、プロセスの改善にあたって、シミュレーションによる改善成果の予測を行った上で改善施策に展開するという手順を踏んでいるのです。

プロセス風洞は以下の4つの段階で構成されます。

1 データ収集(Data Collection)

ITシステムからのイベントログ抽出に加えて、ビジネスルール、およびリソース(担当者などの属性データを統合します。

2 現状分析(Current State Analysis)

BIツール、プロセスマイニングツールを用いて現状プロセスを可視化し、様々な視点で分析を深めます。

3 未来状態設計(Future Sate Design)

現状を再現するシミュレーションモデルを作成し、さらに、リソース配分の変更などプロセスを最適化するようにモデルのパラメターを変更し、改善成果を試算します。

4 実行

前項のシミュレーションを踏まえ、パイロットプロジェクトを走らせたり、システム改修、新ツールの導入などの改善施策を実行し、改善状況をモニタリングします。

今回紹介された取り組み例はサービス業務です。これは、お客様から届く、月間6万件に上る様々な書類を処理する業務です。書類は、USPSの通常便であったり、翌日配達便であったり、FAX、あるいはeメールと様々な形態があります。

紙の場合には開封して中身をチェックし、スキャンするといった手作業があります。こうした手作業については動作調査(motion study)を行って平均処理時間など、シミュレーションに必要なパラメターとなる情報を収集しています。

データ化された後の処理は、BIツールで曜日別の書類到着数などの統計的分析、およびプロセスマイニング分析を行って現行プロセスモデルを可視化し、プロセス上の問題点を抽出するとともに、データ分析結果から得られた数値はシミュレーションのパラメターとして用いています。

サービス業務の場合、シミュレーションの結果、50%ものスループット(総所要時間)の改善が見込めることがわかり、実際に改善施策を講じたところ、シミュレーションの予測に等しい結果が得られたとのことでした。

Third Day of Camp – AIG – Process Mining Camp 2020

プロセスマイニング事例: Lufthansa Technik

airline engine maintenance

Concise report of process mining case: Lufthansa Technik – Process Mining Camp 2020

プロセスマイニングツールとして最も初期から提供されているDiscoの開発・販売元、Fluxicon社は毎年、「プロセスマイニングキャンプ」と題したイベントを開催しています。

2020年のプロセスマイニングキャンプは、オンラインにて2020年6月15日(月)~24日(水)で開催されました。土日を除き1日1セッション、合計8セッションが行われ、様々な企業・組織でのプロセスマイニングの活用事例が報告されました。

PMI(Process Mining Initiative)では、一部のセッションについて重要なポイントに絞った簡潔なレポートを提供いたします。なお、セッション動画は後日、Fluxicon社より一般公開されます。


Lufthansa Technik – 部品補修プロセスの改善に活用

Lufthansa Technikは、航空機の整備、補修、オーバホールのサービスを提供しています。同社にとって最も重要な課題は、クライアント(航空会社)から預かった航空機の整備や補修を可能な限り速やかに行うことです。というのも、整備、補修に係る時間がみじかいほど、航空機の運航時間が増え、クライアントの収益向上につながるからです。したがって、Lufthansa Technikにおけるプロセス改善においては、「スピードアップ」が基本戦略です。

さて、プロセスマイニングに取り組む同社が今回、事例として取り上げたのは部品補修(Parts Repair)のプロセスです。プロセスマイニング分析によって発見された業務遂行上の問題点の改善には、リーンマネジメントの考え方がベースにありますが、さらにボトルネックに関しては制約理論(Theory of Constraints)を適用した点が特徴的です。

部品補修プロセスはほとんどがERP上で遂行されていることから、クオリティ、信頼性の高い分析対象データを抽出することが可能でした。一部、システム外で行われている業務については、担当者が開始時間、終了時間を手入力で記録することでイベントログデータが作成されています。

プロセスマイニング分析結果から、部品補修プロセスの総所要時間(ターンアラウンドタイム、またはスループットと呼ぶ)を長くしている大きなボトルネックは3カ所ありました。すなわち、「検査(Inspection)」、「提案と承認(Proposal and approval)」、「修繕と認証(Repair and certification)」です。

各工程では、大きなユニットの60-80%が処理待ちとなっており、このため6日~12日ほど想定よりも時間が掛かっていました。どれも解決すべきボトルネックではありましたが、どの工程から着手するか、優先順位をつけるために同社では「制約理論(Theory of Constraints)」を適用しました。制約理論は、プロセス改善を目的としてボトルネックの解消に取り組むためのアプローチです。そして、制約理論に基づき、「提案と承認(Proposal and approval)」からボトルネック解消のための施策を開始したのです。

また、プロセスマイニング分析後の改善の取り組みにおいては、「スピードアップ」の基本戦略を踏まえて、ワークショップを開催、「価値提供プロセスマップ(Value Stream Map)」を作成してプロセス課題を抽出、Wiki、Jira、Backlogなどのツールを用いてプロセス改善プロジェクトを推進しました。

プロセスマイニング分析後の改善の取り組みにおいて、スピードアップの戦略方針を踏まえて、ワークショップを開催、プロセスの流れを見直しつつ課題を抽出、Wiki、Jira、Backlogなどのツールを用いてプロセス改善プロジェクトを推進しました。

First Day of Camp – Lufthansa Technik – Process Mining Camp 2020

プロセスマイニングとタスクマイニングの違い – 早わかり一覧表

difference in Approach between pm and tm

Difference between Process Mining and Task Mining – table for easy understanding.

業務プロセス改善のための分析手法である、「プロセスマイニング」と「タスクマイニング」の違いについて簡単にご理解いただけるよう、早わかり一覧表を作成しました。

より詳しくご理解されたい方はお問い合わせください!

difference between processmining and taskmining

なお、基本的にどちらも業務プロセスを分析対象としますが、プロセスマイニングがマクロなアプローチ、言い換えると鳥瞰的視点(Bird’s eye view)で業務の流れをざっくり把握するのに対し、タスクマイニングはミクロなアプローチ、すなわち詳細な業務手順を虫メガネで覗くような蟻観(ぎかん)的視点(Ants’ eye view)で把握するという根本的な違いがあり、両者を補完的に活用することが望ましいでしょう。

approach

プロセスマイニングツール評価レポート – NEAT Report:Process Discovery & Mining 2020 (NelsonHall)

NEAT Evaluation Report: Process Discovery & Mining 2020 by NelsonHall

IT、ビジネスサービス業界を対象とする調査分析会社、NelsonHall社が、プロセスマイニング市場の主要ベンダーについての評価レポート(NEAT: NelsonHall Vendor Envaluation & Assessment Tool)を6月2日に公表しました。

ツールの評価ポジショニングマップを引用することは難しいため、言葉での説明に留めます。ポジショニングマップをご覧になりたい方は、本文末尾の参照元をご覧ください。

さて、ポジショニングマップにおける評価の2次元は、横軸が「将来のクライアント要件に対応する能力」、縦軸は「今すぐのベネフィットを提供できる能力」です。この2軸からポジショニングマップは4象限に区分されています。右上がリーダー、右下がイノベーター、左上がハイアチーバー(高達成者)、左下がメジャープレーヤーの区分です。

評価対象となったベンダーは以下の15社です。各種業務システムから抽出したイベントログを対象とする分析ツールだけでなく、PC操作ログを対象とする分析ソリューションを提供するベンダーも含まれています。このため、Gartnerのプロセスマイニング・マーケットガイドで紹介されている主要ベンダーとは多少違いがあります。

1 ABBYY

2 BusinessOptix

3 Celonis

4 EdgeVerve

5 Kryon

6 Lana Labs,

7 myInvenio

8 NICE Systems

9 Process Diamond

10 QPR Software

11 Signavio

12 Skan

13 Software AG

14 UiPath

15 UpFlux

上記ベンダーのうち、ポジショニングマップのリーダー象限には、Celonis、Software AG、ABBYY、UIPathが位置付けられています。イノベーターには、QPR、Signavio、NICE、ハイアチーバーとしてはmyInvenioが置かれています。

詳細は、NelsonHall社のWebサイト、およびCelonis社のコンテンツをご確認ください。

Process Discovery & Mining 2020 NelsonHall NEAT Analysis

Celonis Named a Leader i NelsonHall NEAT Assessment: Process Mining, Process Discovery, Process Automation, Workforce Automation

リリースしました!プロセスマイニング実践入門 – Udemy

introduction to process mining in practice udemy

INTRODUCTION TO PROCESS MINING IN PRACTICE – e-learning course on Udemy

プロセスマイニングを実際に導入する際に、知っておきたい基本知識が学べるeラーニングコースを公開いたしました。

詳細・受講申し込みはこちらからお願いいたします!


受講対象者:

  • 企業や組織でプロセスマイニングの導入を担当されている方
  • プロセスマイニングの導入を支援されているコンサルタントの方
  • プロセスマイニングのエキスパートを目指したい方

コースの特徴:

プロセスマイニングの理論的側面ではなく、ビジネスへの応用を成功に導くために役立つ内容になっています。プロセスマイニングの原理を含む包括的なeラーニングコースは、プロセスマイニングのゴッドファーザー、Wil van der Aalst教授がCourseraを通じて2014年から提供されています。

しかし、特定のプロセスマイニングツールに依拠せず、また、業務プロセス改善を目的とするビジネス応用に重点を置いた実践的なeラーニングコースは、日本だけでなく世界でもまだ提供されていないことから、世界初のプロセスマイニングの実践入門講座となります。

なお、英語版も後日リリース予定です。

コース受講メリット

  • プロセスマイニングの基本的な知識が習得できます
  • プロセスマイニングの導入意義を上司など、社内関係者に効果的に伝えることができるようになります(導入担当者)
  • 見込み客に対して、プロセスマイニングの価値を説得力のある形で伝えることができるようになります(プロセスマイニングコンサルタント)

ビジネスプロセス治療法

how to cure bad process

How to cure a process with problems
English follows Japanese. Before proofread.

今回は、プロセスマイニングを活用して、ビジネスプロセスを改善する流れを病院での治療の手順と対照させながら説明します。

プロセスマイニングは、イベントログデータから、見えなかったビジネスプロセスを可視化することで、プロセスに潜む様々な課題・問題を発見することを目的としています。

この「プロセスを可視化する」という点から、プロセスマイニングはしばしばX-ray、すなわちレントゲンに例えられます。ただ、病気の治療と同様、病巣(課題・問題)を発見して終わりではなく、適切な治療(改善施策)を施し、健康な状態に戻す、すなわち改善された「理想プロセス」を実現することが最終目的です。

では、まず病院における医療活動の流れを概説しましょう。大きくは、「診断ステージ」と「治療ステージ」の2段階に分けています。


医療活動

診断ステージ

患 者

発熱、咳などなんらかの症状を抱えた患者の来院が治療の起点となります。

問 診

まずは、現在の症状の程度などについて質問し問診を行います。

レントゲン

X-ray機器を用いて、病巣が存在すると思われる箇所を撮影します。

レントゲン写真

X-ray写真を見ながら、病巣の有無を確認します。

診 断

X-ray写真の結果から、どのような病気に罹患しているか判断します。

身体診査

さらに、さまざまな検査を行い、上記診断結果が正しいかを検証します。


治療ステージ

治療方針

診断結果に基づき、また患者の意向も踏まえて治療方針を行います。たとえば、外科手術を実施するか、薬物治療をどのように行うか、などについてです。

手 術

病巣を除去するほうが良い場合、手術を行います。

医薬品

医薬品だけ、また手術と併せて医薬品を投与して治療を行います。

治 癒

病因が除去され、症状がなくなりました。治療完了です。


次に、上記病院での診断・治療の流れに沿って、ビジネスプロセス改善の手順を概説します。


ビジネスプロセス改善

現状把握 - 診断ステージ

問題プロセス - 患者

スループットが長い、運営コストが高い、顧客からの苦情が寄せられている、など、なんらかの現象としての問題が発生しているプロセスを改善すべき対象として選択します。

プロセスセットアップ - 問診

プロセスの概要、処理件数、担当部署・担当者など、改善対象プロセスに関わる基本情報を主にインタビューを通じて整理します。プロセスに関わるシステムの仕様書やマニュアルなどがあれば、それらも併せて内容を確認します。

プロセスマイニング - X-ray(レントゲン)

改善対象プロセスのイベントログデータを元にプロセスマイニングツールを用いて分析を行い、現状プロセスのフローチャートを作成します。

現状プロセス - X-ray写真(レントゲン写真)

現状プロセスについて、頻度別、所要時間別など様々な切り口での分析を行います。

問題・課題発見 - 診断

上記分析結果から、現象としての問題・課題を引き起こしている箇所、すなわち、時間がかかりすぎている非効率な手順や、待ち案件が積みあがっているボトルネックなどを特定します。

現場インタビュー・観察 - 身体診査

特定した問題箇所について、現場の担当者に対するインタビューや観察調査などを行い、根本原因の究明を図ります。

プロセスの非効率性やボトルネックを発生させている根本原因としては、あまり意味のない手順が多い、ミスが多く、やり直しをするケースが多い、処理すべき案件にたいしてアサインされている担当者数が少ない、などがあります。


改善活動 - 治療ステージ

改善方針 - 治療方針

プロセスに関わる様々な問題・課題、それらを引き起こしている根本原因が判明したら、改善施策を立案します。

大きな改善方針としてはまず、スループットを短縮する、コストを削減する、顧客満足度を向上する、など目的を明確化することが重要です。

改善施策実行 - 手術・医薬品

改善施策には大掛かりなものからちょっとした修正まで様々な選択肢がありえます。

ゼロベースでプロセスを組みなおすようなBPR(Business Process Re-engineering)は、外科手術にたとえることができるでしょう。マニュアルの業務をRPAのソフトウェアロボットに代替するのは、人工心臓に取り換えるようなものと言えるかもしれません。

ちょっとした手順の変更を行うだけで所要時間が改善できるとしたら、それはシンプルな薬物療法で治療できる病気だったとなるでしょう。

改善プロセス ー 治癒

有効な改善施策を展開した結果、望ましいプロセスが実現できたらひとまずプロジェクト完了です。


病気の治療において、定期検診が必要なように、問題が再発しないか、新たな問題が発生しないか、継続的に対象プロセスを監視することが必要です。


How to cure a process with problems

In this article, I’ll explain the flow of using process mining to improve business processes, contrasting it with the procedure of treatment in a hospital.

Process mining aims to discover various issues and problems hidden in the process by visualizing invisible business processes from the event log data.

In terms of this “visualization of the process”, process mining is often likened to an X-ray. However, just as in the treatment of diseases, the ultimate goal is not the discovery of the lesion (Inefficiencies and bottlenecks) but the implementation of appropriate treatment (improvement measures) and the return to a healthy state, in other words, the realization of an improved “ideal process(to be proess)”.

Let’s start by outlining the flow of medical activities in a hospital. Broadly speaking, there are two stages: the “diagnostic stage” and the “treatment stage”.


●Medical activities

Diagnostic stage

Patient

The starting point for treatment is when a patient comes in with some kind of symptom such as fever or cough.

Preliminary interview

First, we will ask questions about the extent of your current symptoms and conduct an interview.

X-rays

Using an X-ray machine, the area where the lesion is thought to exist will be photographed.

x-ray photograph

The presence of the lesion is confirmed by looking at the X-ray photograph.

Diagnosis

From the results of the X-ray photos, you can determine what diseases the patient have.

Physical examination

In addition, various physical exam and tests will be performed to verify the correctness of the above diagnosis.


●Treatment Stage

Treatment policy

The course of treatment is based on the results of the diagnosis and the patient’s wishes. For example, it’s about whether to carry out surgery or how to treat medication.

Surgery

If it is better to remove the lesion, surgery will be performed.

Medication

The treatment is performed by administering medications alone or in conjunction with surgery.

Recovery

The etiology has been eliminated and the symptoms are gone. Treatment is complete.


Next, we’ll outline the steps to improve business processes along the path of diagnosis and treatment at the above hospital.


●Business Process Improvement

Understanding the current situation – Diagnostic stage

Process with problems – Patient

Select processes that are experiencing problems as phenomena, such as long throughput, high operating costs, customer complaints, etc., as targets for improvement.

Process Setup – Preliminary interview

Basic information related to the process to be improved, such as an overview of the process, the number of processes, and the department or person in charge, will be organized through interviews. If there are any specifications or manuals for the system involved in the process, check them as well.

Process Mining – X-ray

Based on the event log data of the process to be improved, we analyze it using a process mining tool and create a flowchart of the current process.

As is process – X-ray photograph

We analyze the current process from various perspectives, such as frequency and time required.

Problem identification – Diagnosis

Based on the results of the above analysis, we identify the areas that are causing problems or issues as a phenomenon, i.e. inefficient procedures that are taking too long, or bottlenecks that are piling up pending cases.

On-site interview and observation – physical examination

To identify the problem areas, we conduct interviews with the person in charge at the site and conduct observational surveys to identify the root cause.

The root causes of process inefficiencies and bottlenecks are: too many meaningless steps, too many mistakes, too many reworkings, and too few people assigned to deals that need to be done.


Improvement Activities – Treatment Stage

Improvement Policy – Treatment Policy

Once we have identified the various problems and issues related to the process and the root causes of these problems and issues, we plan improvement measures.

As a major improvement policy, it is important to first clarify the objectives, such as reducing throughput, reducing costs, and improving customer satisfaction.

Implementation of improvement measures – Surgery and Medication

There are a variety of options for improvement measures, ranging from major to minor modifications.

BPR (Business Process Re-engineering), which is a zero-based re-engineering of the process, can be compared to surgery. Replacing manual tasks with RPA software robots might be like replacing an artificial heart.

If a small change in procedure could improve the time required, it would be a disease that could be treated with simple medication.

Improved Process (To be process) – Recovery

Once the desired process has been achieved as a result of effective improvement measures, the project is complete.


Just as regular check-ups are necessary in the treatment of a disease, it is important to continuously monitor the target process to ensure that problems do not recur or new problems arise.

プロセス再設計 – 9つの経験則

heuristic process redesign

Heuristic Process Redesign – Basic 9 Approaches
English follows Japanese. Before proofread.

プロセスマイニングやタスクマイニングで、分析対象プロセスにおける非効率なプロセスやボトルネックを発見できた。しかし、そこで完了ではありませんよね。

言うまでもなく、プロセスマイニングやタスクマイニングは、データ分析を通じて問題点を容易にあぶりだすことができますが、「こうすれば問題を解決できる」という改善施策を教えてくれるわけではありません。(将来的には、プロセスマイニングツールに高度なAI機能が実装され、改善施策のヒントを示唆してくれる、という可能性はあります)

したがって、プロセスに関わる問題点を発見できたら、プロセスマイニング、タスクマイニングの出番はいったん終了となります。

問題点発見後に活躍するのは、リーン・シックスシグマを始めとする問題解決手法です。問題解決手法では、5WHYや要因分析(魚の骨分析)などの各種フレームワークを用いて、問題の背景にある根本原因を探るとともに、具体的な改善施策を立案、実行します。

当記事では、具体的な改善施策を検討するために参考になる9つの再設計手法をご紹介します。これら再設計手法はBPM(Business Process Management)において体系化されたものです。過去に数多く実施されたプロセス改善プロジェクトを通じて経験則的に編み出された実践的な手法です。

なお、実はプロセス再設計の経験則は30個近くあります。うち、今回ご紹介する9つの手法は最も一般的で改善効果が出やすいものです。

なお、9つのプロセス再設計法は、大きくは3つのレベル(タスクレベル、フローレベル)、プロセスレベル)に分類することができます。各手法の解説は3つのレベルごとに行っていきます。

タスクレベル

プロセスを構成する個々のタスク(アクティビティ)についてなんらかの変更行うものです。

1 タスク除去

所要時間が長い要因となっているタスクについて、そもそもそのタスクはやる価値があるのか、いっそなくしてしまう、あるいは回数を減らすものです。

例えば、承認タスクが3段階あり、形骸化している場合、1段階減らして2段階のタスクにする。また、検品プロセスで、全品に対して検査を行うのではなく、無作為抽出した一部の製品のみの検査を行う統計的方法に変えることで、検査タスク件数を数分の一に減らす、といったことが考えられます。

2 タスク結合

タスクが細かく細分化されていたり、複数の部署間でタスクの受け渡しが発生していると、所要時間が長くなりがちです。したがって、複数に分かれているタスクを1つのタスクで統合してしまう、他部署にタスクを渡さないで自部署でまとめてタスクをやってしまう、といったタスク統合が有効な場合があります。(逆に、複数の作業が一つのタスクにまとまっていることで非効率になることもあります。その場合は、タスクを分解することが有効な場合もあります)

3 トリアージュ(区分け)

あるプロセスに、条件分岐でサブプロセスを走らせたほうが所要時間が短縮できる場合があります。たとえば、調達プロセスで購買申請受付に続くタスクとして、金額が1千万円以上、以下で異なるプロセスを走らせるといった方法です。

逆に、サブプロセスが多すぎることによって複雑化している場合には、いくつかのサブプロセスを統合することも検討すべきでしょう。


フローレベル

タスク単体ではなく、タスクとタスクの順序についての改善手法です。

4 再配列

タスクの流れを見直し、最も効率的で、また作業量が最小となるような順番に組みなおすのが再配列です。

例えば、調達プロセスにおいて、AとBの2つの承認タスクが含まれている場合に、Aのタスクでは平均1%が差戻しとなり、Bのタスクでは10%が差し戻しになるとします。この場合、より多くの差戻しが発生するBのタスクをAのタスクの前にもってきたほうが、Aの承認件数が相対的に減少し、全体としてはより効率的、作業量を減らすことが可能となります。

5 並行処理強化

あるプロセスにおいて、前のタスクが終了して初めて次のタスクが始まるという逐次処理が行われている場合に、逐次ではなく、並行して複数のタスクを処理するプロセスに変更すれば、プロセス全体の所要時間の短縮が見込めます。

逐次処理タスクを並行処理に変更することはしばしばスループット短縮に大きな効果があります。


プロセスレベル

個々のタスク、タスク間の順序以外に、別の視点も踏まえた改善を行うものです。

6 専門化と標準化

専門化は、あるプロセスを複数のサブプロセスに分けて、それぞれに担当者を割り当てて専門性を高めてもらうことで効率化や顧客満足向上などを目指すものです、例えば、VIPと一般客に分けて、特にVIPに対してはスピーディで丁寧なサービスプロセスを提供するようなものです。

逆に、標準化は、製品別などで分かれているために同一の業務なのに複数のプロセスが存在している場合に一本化を図るものです。

7 リソース最適化

同じ業務プロセスを複数の担当者で遂行している場合に、特定の担当者に業務量が集中し、他の担当者が遊んでしまっているといった状況、あるいは、業務量に対して担当者が少ないために待ち業務が積みあがってボトルネックになっている、といった問題点に対しては、担当者の割り当てを工夫する、担当者のシフトを見直すなどの「リソース最適化」が必要となります。

8 コミュニケーション最適化

プロセスの流れが、電話やFAX、メールなど、なんらかのコミュニケーションをきっかけに駆動する場合、例えばコミュニケーションを受けるタイミング、処理するタイミングなどを変更することで、効率化や顧客満足が向上できる場合があります。

9 自動化

明確な一定の手順が存在する定型業務の場合はRPAによる自動化が有効となるでしょう。また、インプットされた情報に基づいて自動判定するようなアプリケーションを開発するなど、自動化の選択肢も複数あります。

heuristic process redesign

自社のプロセス改善・改革プロジェクト、あるいはDX(Digital Transformation)推進プロジェクトにおいて、個々の問題・課題に対する解決策を導く場合に、まずはこれら9つの経験則が適用できないか検討してみましょう。

なお、冒頭で述べたように、プロセス再設計の経験則は、『Fundamentals of Business Process Management』では29個紹介されています。

また、同書に準拠したMOOC(eラーニング)では、今回ご紹介した9つのプロセス再設計方法について詳しく解説されていますのでぜひご覧になってみてください。

(Resources)

Fundamentals of Business Process Management, Second Edition
Marlon Dumas, Marcello La Rosa, Jan Mendling, Hajo A. Reijers

MOOCs – Fundamentals of BPM


Heuristic Process Redesign – Basic 9 Approaches 

Thanks to process mining and task mining, you are able to find inefficient processes and bottlenecks in the process. But that’s not where it’s done, is it?

Needless to say, process mining and task mining make it easy to uncover problems through data analysis, but they don’t tell you how you can solve problems. (It’s plausible that in the future, advanced AI capabilities will be added in process mining tools to hint at ways to improve them.

Therefore, once a problem related to the process has been found, the process mining and task mining are no longer needed for the time being.

What comes into play after finding a problem is problem-solving techniques, including Lean Six Sigma. In those problem-solving methods, you can use various frameworks such as 5WHY and factor analysis (fish bone analysis) to find the root cause behind the problem, and then plan and implement specific improvement measures.

This article introduces nine redesign methods that can be used as a reference to consider specific improvement measures. These redesign methods are systematized in BPM (Business Process Management). This is a practical method that has been developed empirically through numerous process improvement projects that have been implemented in the past.

In fact, there are nearly 30 rules of thumb for process redesign. Of these, the nine methods I’m going to share with you are the most common and most likely to produce improvements.

The nine process redesign methods can be broadly categorized into three levels (task level, flow level) and process level). Each method will be explained at each of the three levels.

TASK Level

This is a change of any kind to the individual tasks (activities) that make up the process.

1 Task Elimination

For those tasks that are taking a long time, it’s important to ask yourself if the task is worth doing in the first place, eliminate it, or reduce the number of times you do it.

For example, if there are three levels of approval tasks and they are formidable, reduce them by one level to two. In the inspection process, the number of inspection tasks could be reduced by a fraction of a percent by changing to a statistical method that only inspects a small portion of randomly selected products, rather than inspecting all products.

2 Task composition (decomposition)

When tasks are subdivided into smaller chunks, or when tasks are passed between multiple departments, the time required is often longer. Therefore, it may be effective to consolidate multiple tasks into a single task, or to consolidate tasks in your own department without passing them on to other departments. (Conversely, multiple tasks can become inefficient when they are combined into a single task. (In that case, it may be useful to break down the task).

3 Triage

In some cases, running sub-processes in a conditional branch may reduce the time required for a process. For example, in the procurement process, a task following the receipt of a purchase application would be to run different processes for amounts over 10 million and below.

Conversely, if the complexity is compounded by too many sub-processes, you may want to consider consolidating some of them.


FLOW level

It’s an improvement method for the order of tasks, not just a single task.

4 Re-sequencing

Re-sequencing is about reviewing the flow of tasks and rearranging them in the order that is most efficient and requires the least amount of work.

For example, if the procurement process includes two approval tasks, A and B, then on average 1% of the A task will be set back and 10% of the B task will be set back. In this case, bringing task B, which has more regressions, before task A will result in a relative decrease in the number of approvals for A, which will be more efficient and reduce the workload overall.

5 Parallelism enhancement

In some processes, where sequential processing is used, where the next task starts only after the previous task is completed, if the process is changed to one where multiple tasks are processed in parallel instead of sequentially, it is expected to reduce the time required for the entire process.

Changing sequential processing tasks to concurrent processing often has a significant effect on throughput reduction.


PROCESS level

It is an improvement based on another perspective besides the individual tasks and the order between them.

6 Specialization and standardization

Specialization aims to improve efficiency and customer satisfaction by dividing a process into multiple processes and assigning a person in charge to each sub-process to increase the expertise. For example, it is possible to divide a process into VIPs and general customers and provide a speedy and courteous service process especially for VIPs.

On the contrary, standardization is an attempt to unify multiple processes in the case of the same business because they are separated by product, etc.

7 Resource Optimization

When multiple people are running the same business process, the amount of work is concentrated on a particular person while other people are playing around, or when there is a bottleneck due to the lack of people in charge of the same amount of work, it is necessary to “optimize resources” by devising the assignment of people in charge or reviewing the shifts of people in charge.

8 Communication Optimization

If the process flow is driven by some kind of communication, such as a phone call, fax, or email, you may be able to improve efficiency and customer satisfaction by changing the timing of receiving or processing communication, for example.

9 Automation

For routine tasks where there is a clear set of procedures, automation with RPA can be effective. There are also multiple options for automation, such as developing an application that makes automatic decisions based on the input information.

Let’s first consider whether these nine rules of thumb can be applied to your own process improvement/innovation project or DX (Digital Transformation) promotion project when guiding a solution to an individual problem or issue.

As mentioned at the beginning, 29 rules of thumb for process redesign are presented in the “Fundamentals of Business Process Management”.

In addition, please take a look at the MOOCs (e-learning), which is based on the book, for detailed explanations of the nine process redesign methods introduced in the book.

(Resources)

Fundamentals of Business Process Management, Second Edition
Marlon Dumas, Marcello La Rosa, Jan Mendling, Hajo A. Reijers

MOOCs – Fundamentals of BPM

プロセスマイニング料理法

process mining how to cook

Process Mining: How to Cook
English follows Japanese. Before proofread.

プロセスマイニングは、「分析手法」です。プロセスマイニングツールを導入しただけではなにも始まりません。「分析プロジェクト」として一連の手順を企画し、実行管理を行う必要があります。

ただ、過去になんらかの調査や分析プロジェクトを行ったことがないと、分析プロジェクトの手順を理解するのは簡単ではないようです。そこで、プロセスマイニング分析の流れを料理の流れにみたてて解説してみたいと思います。

まず、料理の流れを確認します。場所の想定はレストランの厨房です。最初の活動は「食材仕入れ」、最後は、盛り付けてお客さまのテーブルに配膳する活動としています。

料理の流れ

1 食材仕入れ

食品卸業者などを通じて、各地から様々な食材を仕入れます。

2 食材

食材が揃いました。虫が食っていないか、腐ってないかなど確認します。

3 下準備

包丁で食材を切り刻んだり、鍋で沸かしたお湯でゆがいて苦みを取るなどの下ごしらえを行います。

4 調理

様々な調理器具を用いて食材を調理します。

5 盛り付け・配膳

出来上がった料理を見た目良く盛り付け、お客さまに提供します。

なお、このレストランでの料理全体をとりしきるのがマスターシェフの役割です。


次に、プロセスマイニング分析の手順を上記各調理手順と対応させてながら解説しましょう。

プロセスマイニング手順

1 データ抽出 = 食材仕入れ

SAPに代表されるERPや、SalesforceなどのCRMシステム、あるいは独自開発の業務システムなど、分析対象データとなるイベントログが記録・蓄積されている各種システムからデータを抽出します。

データの抽出方法としては、SQLによってDBから直接データを抜くことが一般的です。

データ抽出作業は基本的に、システムエンジニア、あるいはシステム管理者が行います。ERPのようにデータベース構造が複雑な場合、分析対象データがどこに所在しているかを見極める必要があるため、例えばSAPを熟視したSAPの専門家の支援を受けます。

2 分析対象データ = 食材

システムから抽出されたデータは、総称して「イベントログ」と呼ばれます。システム上での操作履歴をイベント単位でタイムスタンプと共に記録されたものだからです。

データフォーマットとしてはCSVで提供してもらえると、後工程のデータ前処理が楽になります。場合によっては、JSON形式のまま提供されることもあります。JSON形式のイベントログですと、前処理がちょっと面倒になります。

3 データ前処理 = 下準備

システムから抽出されたイベントログデータは、多くの場合、10本以上の複数のファイルから構成されています。操作履歴となるアクティビティとタイムスタンプ等が記録されているファイル、またマスターデータが含まれたファイルなどです。

次工程の分析を行うためには、基本的にはすべてのファイルを統合して1本のファイルに仕立てる必要があります。また、元ファイルには、文字化けしている箇所や、本来なんらかの値が入っているはずのセルが空白であるなど、そのままでは分析できないデータが多数含まれています。

そこで、ノイズ的なデータは除去する、補正するなど、料理のあく抜きと同様のデータクリーニングなどを行う必要があります。こうした、元データを分析可能なクリーンなデータに加工する工程がデータ前処理です。

データ前処理は、データをどのように処理すればクリーンになるかを熟知したデータサイエンティストが、ETLツールやPythonなどを駆使して行います。

4 分析 = 調理

データ前処理によって下ごしらえが済み、分析可能なクリーンデータができたら、ようやくプロセスマイニングツールに投入し、様々な分析が可能となります。

プロセスマイニングツールは非常に多機能なツールです。使いこなせるようになるには相応のトレーニングと経験が必要ですが、数字の羅列にしか見えないイベントログデータから、業務プロセスがフローチャートとして視覚化され、非効率であったりボトルネックであったりする箇所をあぶりだすのは楽しい作業です。

プロセスマイニングツールによる分析は、なにより使用するツールを熟知したツールの専門家が必要ですが、どのように分析を行うか、という分析視点を与えるのはプロセスアナリストです。また、データサイエンティストも、データの前処理を通じて、元データについての理解を深めていますので、分析作業の支援を行うことができます。

5 レポーティング = 盛り付け・配膳

プロセスマイニングツールでの様々な分析結果から判明した、対象プロセスの課題や問題点についてグラフ、表などを活用しながらレポートを作成します。レポートを提出する関係者は必ずしもデータ分析に慣れているわけではありませんので、なにが課題・問題なのかを容易に理解できるようなビジュアル表現に留意する必要があります。

レポート作成を担当するのは、プロセスアナリスト中心に、プロセス改善のノウハウ(リーン、シックスシグマなど)を持つつプロセスコンサルタントの支援も受けるのが理想です。必要に応じて追加分析を行うこともありますので、データサイエンティスト、ツールエキスパートのサポートもあるといいでしょう。

プロセスマイニング分析のプロジェクト全体を取り仕切る、レストランのマスターシェフに該当するのは、プロジェクトマネージャーです。プロジェクトマネージャーは、すべての工程を熟知している必要はありません。しかし、各工程の概要は理解していることと、なによりプロジェクトを円滑に遂行するスキルが求められます。

以上、料理の比喩を用いて、プロセスマイニング分析の標準的な手順をご説明しました。各工程とも、相応のスキルと経験が求められる難度の高い作業ではありますので、各分野のエキスパートがうまく連携してプロジェクトを進めていくことが求められます。


Process Mining: How to Cook

Process mining is an “analytical method”. The mere introduction of a process mining tool doesn’t start anything. You will need to plan a series of steps as an “analytical project” and manage their execution.

However, if you have not done any research or analysis projects in the past, it does not seem to be easy to understand the steps of an analysis project. Therefore, I would like to explain the flow of process mining analysis by contrasting the flow of cooking.

First, let’s see the flow of the food. The assumed location is the kitchen of a restaurant. The first activity is “purchasing foodstuff” and the last is serving dished-up food to customers’ tables.

COOKING FLOW

1 Purchase of foodstuffs

purchase a variety of food from all over the world through food wholesalers.

2 Foodstuff

The foods to be cooked are now available. Check to see if there are any insects eating or rotting.

3 Precooking

prepare the food by chopping it with a knife or boiling it in a pot of boiling water to remove the bitterness.

4 Cooking

Cooks food using a variety of cooking utensils.

5 dishing-up and serving

dish up cooked foods and serve the finished dishes to the customers.

Role of Master Chef

Note that the role of the master chef is to oversee the entire cooking process of the restaurant.


Next, let’s explain the steps of the process mining analysis, corresponding to the above cooking steps.

process mining procedure

1 Extraction of data = Purchase of foodstuff

extract data from various systems that record and accumulate event logs that are the target data for analysis, such as ERP represented by SAP, CRM systems such as Salesforce, or proprietary business systems.

As a method of data extraction, it is common to extract data directly from a DB by SQL.

Data extraction is basically done by system engineers or system administrators, and when the database structure is complex, such as ERP, it is necessary to determine where the data to be analyzed is located, for example, with the assistance of SAP experts who have good knowledge about SAP.

2 Data to be analyzed = Foodstuff

The data extracted from the system is collectively referred to as the “event log. This is because the history of operations on the system is recorded on an event-by-event basis with a time stamp.

As a data format, it would be easier to pre-process the data in the post-process if it were provided in CSV format. In some cases, the event log may be provided in JSON format and the pre-processing of the event log in JSON format can be a bit cumbersome.

3 Data preparation = Precooking

The event log data extracted from the system is often composed of multiple files, often ten or more. It can be a file that records activity and time stamps, etc., as well as a file that contains the master data.

Basically, all the files must be combined into a single file in order to analyze by a process mining tool. In addition, the original files contain a lot of data that cannot be analyzed as it is, such as garbled parts and empty cells that should have contained some kind of value.

Therefore, it is necessary to remove or adjust for those noisy data, that is, perform data cleaning similar to the removal of unfavorable parts of food. Data preparation is the process of processing the original data into clean data that can be analyzed by a process mining tool

Data preparetaion is done by data scientists who know how to process data to make it clean, using ETL tools, Python, and other tools, languages.

4 Analysis = Cooking

Once the data has been pre-processed and the clean data is ready for analysis, it can finally be fed into process mining tools for various analyses.

The process mining tool is a very versatile tool. It takes some training and experience to become proficient, but it’s fun to visualize business processes as a flowchart from event log data that looks like nothing more than a litany of numbers to uncover inefficiencies and bottlenecks.

Analysis with process mining tools requires tool experts who are familiar with the tools used, but it is the process analyst who gives the analytical perspective on how to do the analysis. The data scientist also has a better understanding of the original data through pre-processing of the data, so they can assist in the analytical work.

5 Reporting = Dishing up and serving

create reports using graphs, tables, etc. on the issues and problems of the target process identified from various analysis results with process mining tools. Since the people receiving the report are not necessarily familiar with data analysis, it is necessary to keep in mind the visual presentation that makes it easy to understand what the issue or problem is.

Ideally, the report should be written by a process analyst, with the assistance of a process consultant with process improvement know-how (Lean, Six Sigma, etc.). It’s also good to have the support of a data scientist or tool expert, as additional analysis may be required.

Role of Project Manager

It is the project manager who correspond to the master chef of the restaurant who runs the entire process mining analysis project. A project manager does not have to be familiar with the entire process. However, you must have a good understanding of each step of the process and above all, you must have the skills to execute the project smoothly.

So far I have used the culinary metaphor to explain the standard procedure for process mining analysis. Each process is a highly challenging one that requires a certain level of skill and experience, so it is necessary for experts in each field to work well together to advance the project.

事業革新に取り組むための「イノベーション手法ポートフォリオ」

innovation method portfolio

Innovation method portfolio useful for business innovation

新型コロナにより、社会の在り方が大きく変化しつつあります。厳しい行動制限が解除された後の「Post Corona」の時代においても、私たちは新型コロナと折り合いをつけて生活していかざるを得ないため、「Before Corona」と同じ姿に戻ることはないでしょう。

さて、経済の担い手である企業は、あらゆる分野において急速に進展するデジタル化への対応のため、コロナ以前から「DX」、すなわちデジタル変革の推進に取り組んできました。とはいえ、旧来の慣れ親しんだやり方からの脱却は簡単ではなかった。ところが、新型コロナという非常事態によって、ほぼすべての企業が、デジタルを活用した事業革新に本腰を入れざるをえなくなりました。

今回は、事業革新に取り組むために役立つ様々な手法の位置づけについて解説します。

下図に示したのは、4つの次元で各種革新手法を位置付けたものです。「イノベーション手法ポートフォリオ」と呼ぶことにします。

横軸:内的(Internal)  ⇔ 外的(External)

横軸は「内的(Internal)」と「外的(External)」の2つです。

「内的」とは、社内のやり方、プロセス、資源などに焦点を当てるものです。一方、「外的」は、顧客や競合他社など、外部の情報を積極的に活用します。

縦軸:分析的(Analytical) ⇔ 創造的(Creative)

縦軸は「分析的(Analytical)」と、「創造的(Creative)」です。

「分析的」とは、文字通りものごとを構造的・分析的に捉えるもので、しばしば定量的なデータの活用が前提となります。

一方、「創造的」とは、ものごとを多面的に捉え、新たな価値を見出そうとするアプローチです。


それでは、4つの次元それぞれに含まれる手法について簡単に解説しましょう。(それぞれの手法の詳細な解説は各自、Google検索などでお調べください)

分析的 x 内的

現在のやり方を強化するアプローチです。ここには、TRIZ、制約理論、リーンマネジメント、シックスシグマ、BPR(Business Process Re-engineering)が含まれます。革新(Innovation)というよりは、主に改善(Improvement)のための手法です。現在の業務プロセス、業務内容を把握し、非効率性、ボトルネックなどの問題点を発見し、改善施策を講じます。組織再編も含めた、全社的に根本的な改善を行うのがBPRです。

これらのアプローチは、特にムリムダの削減による生産性向上を通じたコスト削減に効果があります。

なお、この次元において、ファクトベースでの価値ある分析手法を提供できるのが「プロセスマイニング」です。

分析的 x 外的

外部にあるよりよい方法を取り込むアプローチです。この次元には、ベンチマーキング、参照モデリングが入ります。

ベンチマーキングは基本的には、他企業の優れた取り組みと自社を比較して、劣っているポイントを明確化する取り組みです。また、参照モデリングは、自分の業界で標準的な手順、あるいは優れた手順を自社でも採用することでクイックな成果を目指します。

創造的 x 内的

社内に存在するがまだ活用されていない方法を試すことです。ここには、ポジティブな逸脱やクラウドソーシングが入ります。

ポジティブな逸脱とは、現在主流となっている事業や、人、手順ではなく、傍流にある異端的な事業や、人、手順に着目し、それを全社に展開するような取り組みです。企業内では、異端的なものはしばしばネガティブな「逸脱」と見なされてあまり評価されず、修正を求められます。しかし、こうした逸脱の中には、新たな環境変化に対応できる革新的な事業、人、手順が含まれていることがあるのはご存知でしょう。

クラウドソーシングは、外部的な要素も多分にありますが、様々な知識、知恵、経験を持つ多様な人材を社内資源と組み合わせることで、自社だけで議論していても発想できなかった新たなアイディアを創造します。

創造的x外的

自社資源に頼らず、新たな方法を創造するアプローチです。SCAMPER 、デザイン思考が含まれます。

ここでは、様々な制約を取り払ってものごとを多面的に考え、また対象顧客を注意深く観察することなどを通じて、柔軟な発想を最大限に発揮しようとします。


さて、以上のアプローチのどれが貴社にとって最適かはケースバイケースであり、一概には言えません。

ただ、ポストコロナの厳しい経済環境においてはまずコスト削減から取り組むべきであり、分析的・内的アプローチである、リーン、シックスシグマなどから事業改善をスタートさせるべきと考えます。業界標準のやり方を取り込む参照モデリング、他社の優れたところを参考にするベンチマーキングも有効でしょう。

ただし、前述したように、分析的なアプローチは現状のやり方の改善までは可能ですが、新たなビジネスモデルを生み出し、イノベーションを実現することは得意ではありません。

例えば、飲食店が、シックスシグマなどにより、来店客に対する店内オペレーションの改善にどれだけ取り組んでも、ステイホームにより高まるテイクアウト需要に応えるための新たな手順を生み出すことはできないのです。

そこで、まずは分析的アプローチで生産性の向上、コスト削減に取り組みつつ、環境変化に適応して売上を大きく伸ばすために採用すべきなのが創造的なアプローチです。

近年、デザイン思考が注目を浴びましたが、最近ではさらにクリエティブな要素が強い「アート思考」のアプローチも登場してきています。

現在のような大きな環境変化においては、事業革新、すなわちビジネスイノベーションが欠かせません。分析的アプローチで足元を固めつつ、創造的アプローチで新たなビジネスモデルを生み出すことが現在の企業には求められていると思います。

(参考文献)

From Product Innovation to Organizational Innovation – and what that has to do with Business Process Management, Jan Recker (PDF)

プロセスマイニングツール – 分析目的から機能を整理する

functioanly based on the purpose of analysis

Organizing the functionality of a process mining tool based on the purpose of analysis
English follows Japanese. Before proofread.

イベントログに基づいて分析を行うプロセスマイニングツールは基本的に非常に多機能であり、日々新たな機能が追加されている進化途上のツールです。一通りの説明やデモを受けただけでは、プロセスマイニングツールの機能概要を理解するのは簡単ではありません。

そこで、当記事では、どのような分析を行いたいのか、すなわち「分析目的」を起点にして、どのような機能があるのかを整理してみましょう。

なお、主要な機能に絞っていること、および、タスクマイニングはまだ技術的に未成熟な機能であることからあえて外していることにご留意ください。

さて、プロセスマイニングツールを使った分析の切り口も実にたくさんあるのですが、大きく以下の4つに分けて考えたいと思います。

1 プロセスフォーカス

プロセスマイニングの基本的な分析視点です。対象プロセスがどのようなフローになっているかを中心に分析するものです。

2 組織フォーカス

プロセスマイニング分析を行うためのデータ必須3項目は、プロセスID、アクティビティ、タイムスタンプです。この3項目に加えて、準必須の項目として標準的に分析されるのが、「リソース(担当ユーザー)」と「ロール(所属部署・役職)」です。

組織フォーカスでは、プロセス自体に加えて当該プロセスを遂行する担当者やその所属部署や役職の視点での分析を行っていきます。

このアプローチは、「オーガニゼーショナルマイニング」と呼ぶこともあります。

3 シミュレーションフォーカス

文字通り、なんらかのパラメターを設定してシミュレーションを行うアプローチです。

4 オペレーションフォーカス

プロセスマイニング分析は基本的には過去の完了したデータを対象としますが、現在走っている、未完了のプロセスをリアルタイムに分析するアプローチです。

それでは、それぞれの切り口ごとに分析目的と対応する機能を示します。


1 プロセスフォーカス

1.1 プロセスのバリエーションがどうなっているか知りたい

    ⇒ バリアント分析

1.2 プロセスを流れていく件数を見たい

    ⇒ 頻度分析機能

1.3 プロセスの所要時間(スループットやアクティビティ間など)を見たい

    ⇒ パフォーマンス分析機能

1.4 標準プロセス(to beプロセス)と比較しての逸脱プロセスを発見したい

    ⇒ 適合性検査機能

1.5 複数のプロセスバリエーションを比較したい

    ⇒ 比較分析機能

1.6 非効率やボトルネックなどの問題が起きている要因を深堀したい

    ⇒ 根本原因分析機能

1.7 KPIの目標値(スループット、処理時間など)とのズレを把握したい

    ⇒ KPI設定機能

1.8 プロセスの分岐(ゲートウェイ)におけるビジネスルールを把握したい

    ⇒ ビジネスルールマイニング機能

1.9 BPMN準拠のモデルを作成したい

    ⇒ BPMNモデル変換機能

    ⇒ BPMNモデル作成・編集機能


2 組織フォーカス

2.1  どの担当者がどのアクティビティを担当しているかを把握したい

    ⇒ アクティビティマップ機能

2.2 各担当者の処理件数や処理時間を算出したい

    ⇒ カスタマイズダッシュボード作成機能

2.3 対象プロセスの中で、担当者同士がどのように関わりあっているかを把握したい

    ⇒ ソーシャルネットワーク機能


3 シミュレーションフォーカス

3.1 プロセスの一部を変更したり、RPA化した場合の効果を検証したい

    ⇒ シミュレーション機能


4 オペレーションフォーカス

4.1 未完了のプロセスについて、あとどのくらいの時間で完了するかを推定したい

    ⇒ 予測分析機能

4.2 未完了のプロセスについて、スループットを短縮するために取るべき手順を推定したい

    ⇒  プロセス推奨機能

4.3 逸脱プロセスが発生した場合にアラートを担当者に出したい

    ⇒  アラート機能


以上、分析の目的に応じたプロセスマイニングツールの機能を整理しました。ツールによってぞれぞれの機能名称が異なりますのでご注意ください。

ツール選定にあたっては、自社の分析対象プロセスをどのような視点で分析したいかを把握した上で、候補ツールの機能有無の確認を行ってください。

functioanly based on the purpose of analysis

Organizing the functionality of a process mining tool based on the purpose of analysis

Process mining tools that perform analysis based on event logs are basically very versatile and are evolving with new features being added every day. It’s not easy to get an overview of the features of a process mining tool when you’ve just been given a one-size-fits-all explanation or demo.

So, in this article, let’s start with what kind of analysis you want to do, that is, the “purpose of the analysis”, and organize what kind of function it has.

Please note that we have deliberately left out task mining because it is a technologically immature feature and we are focusing on the main features.

Now, there are many ways to analyze using process mining tools, but I would like to divide them into the following four main categories.

1 Process Focus

This is the basic analytical perspective of process mining. The analysis focuses on the flow of the target process.

2 Organizational Focus

The three required data items for process mining analysis are process ID, activity, and time stamp. In addition to these three items, “resource (user in charge)” and “role (department and position)” are typically analyzed as semi-requisite items.

In addition to the process itself, the Organizational Focus analyzes the process from the perspective of the people in charge of executing the process and their departments and positions.

This approach is sometimes referred to as “organizational mining”.

3 Simulation Focus

Literally, it’s an approach to simulating by setting up some parameters.

4 Operational Focus

Process mining analysis is essentially an approach that targets previously completed data, but analyzes currently running and uncompleted processes in real time.

Let’s take a look at the analysis objectives and corresponding functions for each cut.

1 Process Focus

1.1 I want to know what the variations of the process are.

    ⇒ Variant Analysis

1.2 I’d like to see the number of cases flowing through the process.

    ⇒ Frequency analysis function

1.3 I want to see the time required for a process (throughput, lead time between activities, etc.)

    ⇒ Performance analysis function

1.4 I want to Discover deviant processes compared to standard processes (to be processes)

    ⇒ Conformity inspection function

1.5 I want to compare multiple process variations.

    ⇒ Comparative analysis function

1.6 I would like to delve deeper into the causes of the problem regarding inefficiencies and bottlenecks in the process.

    ⇒ Root cause analysis function

1.7 I want to understand the deviation from the KPI target values (throughput, processing time, etc.).

    ⇒ KPI setting function

1.8 I want to understand the business rules in the process branch (gateway).

    ⇒ Business Rule Mining Function

1.9 I want to create a BPMN-compliant model.

    ⇒ BPMN model conversion function

    ⇒ BPMN model creation and editing functions

2 Organizational Focus

2.1 I want to know which person is in charge of which activity.

    ⇒ Activity Map Function

2.2 I want to calculate the number of processes and processing time for each person in charge.

    ⇒ Create customized dashboards

2.3 I would like to understand how those in charge of the process relate to each other in the target process.

    ⇒ Social network function

3. Simulation Focus

3.1 We want to verify the effects of changing a part of the process or implementing RPA.

    ⇒ Simulation function

4 Operational Focus

4.1 I want to estimate how much more time it will take to complete an incomplete process.

    ⇒ Predictive analysis function

4.2 I’d like to estimate the steps to be taken to shorten the throughput of an incomplete process.

    ⇒ Recommended process functions

4.3 I want to send an alert to a person in charge when a deviation process occurs.

    ⇒ Alert function

Above, we have organized the features of the process mining tool according to the purpose of the analysis. Please note that the function names of each tool are different.

When selecting a tool, understand how you want to analyze the process to be analyzed from the perspective of your company, and then confirm whether the candidate tool has any functions.

functioanly based on the purpose of analysis