Process Mining trend – Global 2005-2021 by HSPI Process Mining: A Database of Applications 2021
イタリアのITコンサルティングファーム、HSPIが2018年から毎年発行しているプロセスマイニング事例集の2021年版、「Process Mining: A Database of Applications 2021」が2021年1月27日に公開されました。
詳細はオリジナルのレポートをご覧いただくとして、当記事は全体概要としての統計的集計結果をご紹介します。なお、このレポートはプロセスマイニング導入に関わるコンサルティング会社やプロセスマイニングツールのベンダー企業などに案件情報提供を依頼した結果であり、市場全体を代表するものではありません。
プロセスマイニングプロジェクト件数年別推移
年別のプロセスマイニングプロジェクトの実施件数推移を見ます。2019年に報告件数が減少しましたが、2020年は100件を超え、導入企業が着実に増加していることがうかがえます。
国別プロジェクト件数(構成比)
次に、過去の全案件について国別のプロジェクト件数の構成比を見ます。
プロセスマイニングは1999年にオランダで誕生し、ヨーロッパ各国で研究、および活用がすすんできたこともあり、ヨーロッパが全体の約半数を占めています。
次いで、米国、韓国、オーストラリアと続いています。
米国でのプロセスマイニング普及は日本とほぼ同時期の2018年ころからですが、良いものには躊躇せず飛び付く米企業らしく、急速に普及が進んでいることが推測できます。
韓国では、韓国企業、Puzzle Dataが独自開発したプロセスマイニングツールが市場をほぼ独占しており、積極的にマーケティング&セールス活動を行っていることから、普及が進んでいるようです。
オーストラリアでは、クィーンズランド大学はじめ、プロセスマイニング研究が盛んで、近年はオープンソースツール、Apromoreが商用サービスを開始したことを背景に着実に導入が進んでいます。
日本の案件は最新版でも含まれていませんが、おそらく2020年だけで数十社がPoC、または本格導入したと推測され、仮に本調査に協力したとしたら上位に位置してくるのは間違いないでしょう。
産業別プロジェクト件数(構成比)
産業別にみてプロセスマイニング導入が多いところはどこでしょうか。
以下の円グラフでおわかりのように、「Industrals」が22%と最も多く、次いでFinancialsが17%、「Healthcare」15%、「Telecommunications」10%と続いています。
「Industrials」には、Aerospace & Defence, Automotive & Parts, Construction & Materials, Electronics, General Industrials, Industrial Engineering , Logisticなどの業種が含まれていますが、大規模組織で、複雑なプロセスを抱える企業のプロセスマイニング導入が進んでいることがうかがえます。