【速報】Gartner, Market Guide for Process Mining 2021

 米ITアドバイザリ企業Gartnerが、2021年版となる『Market Guide for Process Mining』を2021年11月11日に公開しました。プロセスマイニングのマーケットガイドは2018年から毎年発行されており、今回が4回目の発行となります。

当記事では主なポイントを速報としてお伝えします。

2021年版においてバージョンアップされた、10個のプロセスマイニングができること(10 Capabilities for process mining)は以下の通りです。これらは、各種プロセスマイニングツールがおおむね提供している、あるいは今後提供を目指していると思われる機能とも言えます。


・プロセス、例外処理、案件、そして従業員の関わりについて自動的にモデル(フロー図など)を作成

・カスタマーとのやりとり、カスタマージャーニーを自動的にモデル化すること、および関連分析

・適合性検査、およびギャップ分析

・プロセスモデルの強化(改善)のための追加的分析(属性を付加した分析)

・データ前処理、データクレンジング、ビッグデータへの対応

・意思決定支援を可能にする、KPIの継続的モニタリングのためのリアルタイムダッシュボード

・予測的分析、処方的分析、シナリオ検証、シミュレーション

・プロセスマイニングアプリケーションを作成できるAPIを提供し、また高度な分析と意思決定支援が行える、様々なプロセスにまたがるプロセスマイニング分析のプラットフォーム

・ UI(User Interaction)ログに含まれる低レベルのイベントデータから有用な情報を導き出すタスクマイニング。UIログは、キーストローク、マウスクリック、データ入力などに基づいて、ユーザーが行ったタスク内の単一ステップを記録したもの

・様々な「洞察」を「行動」に移す実行機能 。これらの機能は、分析対象のアプリケーションの単純な更新から、タスクの実行をサポートするスクリプトの作成まで多岐にわたる


また、Gartnerは、プロセスマイニングが採用されるメインドライバーとして以下の5つを挙げています。

・デジタルトランスフォーメーション – Digital Transformation

・人工知能(AI) – Artificial Intelligence

・タスクオートメーション – Task Automation

・ハイパーオートメーション – Hyperautomation

・オペレーショナルレジリエンス – Operational Resilience

ハイパーオートメーションとは、ひらたく言えば、RPAなどを用いたタスクオートメーション、ワークフローやiBPMSによるプロセスオートメーション、そしてDigitalOpsによる業務オペレーション全体の自動化をチャットボット、スマーとスピーカー、AI、機械学習などの様々なテクノロジーも組み込みながら実現していこうとするものです。

オペレーショナルレジリエンスは、ビジネス環境の変化に適用するために、業務に関わる人、プロセス、情報システムを柔軟に変化させる技術です。業務のレジリエンス、すなわち弾性(回復力)が優れた企業は、競争力を維持しつつ、プロセスを局所的に、迅速に変更するために業務をスピードアップしたりスローダウンすることのできる組織能力を備えています。


標準的なプロセスマイニングのユースケースとしては以下の5つが挙げられています。なお、アルゴリズムとは、イベントログからプロセスモデルを自動的に描くために、プロセスマイニングツールに組み込まれているものです。

・アルゴリズムによるプロセス発見、分析によるプロセスの改善

・アルゴリズムによるプロセスの比較、分析、検証による監査、コンプライアンスの改善

・自動化の機会の発見と検証によるプロセス自動化の改善

・戦略と業務を結びつけ、柔軟な組織を生み出すことによる、デジタルトランスフォーメーション(DX)の支援

・アルゴリズムによるITプロセスの発見と分析に基づく、IT業務のリソース最適化の改善


2021年版で示されているプロセスマイニングの代表的ベンダー・ツールは以下の20種類です。

 ABBYYTimeline
 Appian (Lana Labs)LANA Process Mining, LANA Connect
 ApromoreApromore Enterprise Edition
 BusinessOptixBusinessOptix
 CelonisCelonis Execution Management System
 DatricksDatricks
 EverFlowEverFlow
 FluxiconDisco
 IBMIBM Process Mining
 IntegrisExplora Process
 LivejourneyLivejourney
 MinitMinit
 Process Analytics Factory (PAF)PAFnow
 Puzzle DataProDiscovery
 QPR SoftwareQPR ProcessAnalyzer
 SAP (Signavio)SAP Signavio Process Intelligence
 Software AGARIS Process Mining
 SorocoScout Platform
 StereoLOGICStereoLOGIC Process Mining, StereoLOGIC Task Mining
 UiPathUiPath Process Mining, UiPath Task Mining

プロセスマイニング最新機能群と課題、今後の進化の方向性

direct follows graphs

Latest Process Mining Functionality, Challenges, and Future Evolutionary Trends

English follows Japanese.

今回の記事では、2021年夏時点における、プロセスマイニングのテクノロジーやソリューションに焦点を当て、機能、課題、今後の進化についてお伝えします。

1 プロセスマイニングの最新機能群

プロセスマイニングは、テクノロジーやツールの側面に関心が行きがちであるが、その本質は、データ分析の理論体系・方法論(Discipline)である。実際、プロセス“マイニング”という言葉でわかるように、データマイニングの一類型と考えることができる。ただし、あらゆる事象を分析対象とする幅広い概念のデータマイニングと異なり、文字通り「プロセス」を分析対象とするのがプロセスマイニングである。その基本となる用途は「プロセスの可視化」であり、プロセスが可視化されたことによって、対象プロセスがはらむ問題点の発見が容易になる。結果として、プロセス改善の取り組みに大きな役割を果たすことができる。

1.1  現在の主要機能

さて、プロセスマイニングは、前述したように「プロセスの可視化」の方法論の確立とツール開発からその研究がスタートしている。それは、業務遂行に使用するITシステムから抽出されたデータに基づき、業務手順を示すフローチャートを自動的に作成する機能であり、「プロセス発見(Process Discovery)」と呼ばれる。その後、研究の進展、ツールの高度化に伴い、様々な機能が実装されてきた。以下は、現在のプロセスマイニングツールの多くが実装している主な分析機能である。

・プロセス発見:


業務手順を自動的にフローチャート化し、作業頻度や所要時間などを算出する

・適合性検査:


データに基づき発見された現状プロセス(as-is)と標準プロセス(to-be)との比較分析を行い、現状プロセスの逸脱を抽出する

・ダッシュボード:


対象プロセスについて、様々な切り口から集計・分析した結果を各種グラフや図でビジュアルに表示する(BIツールと同等)

1.2 最新機能群

さらに、近年では、最先端のプロセスマイニングツールでは、次のような最新機能群が搭載され始めている。

・ビジネスルールマイニング:


 対象プロセスにおいて、フローの分岐(意思決定ノード)が発生している箇所がある場合、その分岐を決定している基準=ビジネスルールをデータに基づいて自動発見する

・シミュレーション(What-If分析)


 プロセス発見機能によって可視化された現状プロセスについて、一部のタスクを排除したり、あるいは自動化したりすることで、どの程度の改善効果が期待できるかをシミュレートする

・運用サポート


 現在仕掛中の案件について、業務遂行に関わるデータをリアルタイムに吸い上げ、業務の逸脱を探知したり、将来の問題発生を予測したりして、担当者にアラートを出す、また最善手を提案する、あるいは自動的に改善施策を実行する。

上記3つの最新機能のうち、ビジネスルールマイニング、およびシミュレーションは、既に完了した案件、すなわち過去データを分析対象としているが、運用サポートは、未完了の案件に関わるデータを逐次処理し、円滑な業務遂行を支援することが主眼である。この意味で、運用サポートは、分析の方法論の枠を超えたITソリューションの一形態とも言えるだろう。このため、プロセスマイニング業界最大手のセロニス社では、当該機能を「EMS(Execution Management System)」と呼んでいる。


2 プロセスマイニングが克服すべき課題

2.1 データ前処理の難しさ

データマイニングでは、全体の所要時間の約8割がデータの収集・抽出、クリーニングといったデータ前処理に費やされると言われる。プロセスマイニングでも同様である。多様なITシステムから抽出された数十~数百に及ぶデータファイルを適切に統合し、抜け漏れ、文字化けなどのダーティなデータを補正し、ツールに投入して分析可能な「データセット」を作り上げる労力は大きい。プロセスマイニングにおけるデータ前処理の難度を高くしている要因としては、データの抽出元が各種業務システムであることから、業務システムへの理解が必要であること、また、業務プロセス改善に資する分析結果を導くためのデータセットを作成するためには、業務自体への理解、また業務改善手法にもある程度通暁している必要があることが挙げられる。

2.2 ツールの分析品質

分析品質については2つの課題を述べたい。一つはDFGs(Directly Follows Graphs)の限界、もうひとつは、Convergence/Divergence問題である。

2.2.1 DFGsの限界

プロセスマイニングの基本機能である「プロセス発見」は、当初、ペトリネットがベースになっていたが、より現実に近いフローチャートを再現するために、様々なアルゴリズムが開発されてきている。ただ、業界有識者の話によれば、現在実用化されているプロセスマイニングツールのほとんどは、ファジーマイナーと呼ばれるアルゴリズムに基づいたもの(各社独自の改善は行っていると思われる)であると言われている。
同アルゴリズムは、一般にDFGs(Directly-follows Graphs)と呼ばれる。ペトリネットや、また業務手順をフローチャートとして記述するための世界標準であるBPMN(Business Process Modeling and Notation)と異なり、ノードとノードが直接(Directly)結びつけられたフローチャートがDFGsである。すなわち、分岐ノードが描かれないため、このアルゴリズムでは、どこでどのような分岐が発生しているのか、具体的には、排他的(OR)なのか、並行的(AND)なのか、といったことが把握できない。このため、現状のプロセスを自動的に再現するとはいっても、分岐が明確でない不完全なものになるというのが現実である。もちろん、これについては、BPMN形式のフローチャートへの自動変換や、前述したビジネスルールマイニングの採用などの機能改善が行われてきている。

図1 Petri net、BPMN、Fuzzy Minerのフロー図例
上図でわかるように、DFGsであるFuzzy Minerには、Petri netやBPMNのような分岐ノードが存在しないため、同じプロセスの表現でありながら、Fuzzy Minerでは分岐のルールを判別することができない。

2.2.2 Convergence/Divergence問題

プロセスマイニングでは、対象プロセスで処理される案件に対して行われる各アクティビティを束ねて、フローチャートを描くために、「案件ID」、「アクティビティ(処理内容)」、およびタイムスタンプの3項目が必須である。例えば、請求書処理プロセスであれば、各請求書に付番されている個別の請求書番号、そして、その請求書に対して行われる「受領」、「確認」、「承認」、「支払い」などのアクティビティをタイムスタンプとともにITシステムから抽出することになる。


 実際のプロセスにおいてしばしば直面するのは、案件IDがひとつではないという点である。具体例を示そう。図2は、エンジニアリング会社の受注から資材調達までのプロセスの一般的なイメージである。受注した機械は、発注企業の仕様に基づいて製造されなければならないため、受注後は、まず設計を行い、次に設計図(Blueprint)に基づいて必要な資材・パーツを洗い出し、サプライヤに発注する流れとなる。ここで、受注した案件は、工事番号(Construction Number)で管理されるが、一つの機械に対して複数の設計図が作成されるため、設計段階では、設計図番号(Blueprint Number)が用いられる。さらに、資材・パーツの洗い出しにはパーツ番号(Parts Number)が、調達時には、複数のパーツがいくつかにまとめられて調達要求が出される。この時は、調達要求番号(Procurement Request Number)が付番される。さらに、複数の調達要求は、サプライヤ毎に集約されて発注が行われる。ここでは発注番号(Order Number)が管理用のIDとなる。

図2 受注から資材調達までのプロセス例(エンジニアリング会社)
1台の機械受注に対して複数のBluleprint、Parts、Procurement Request、Orderが紐づけられ、ひとつの案件IDだけでは適切な分析が行えない

 このように、ひとつの案件が処理されていく中で、集約されたり(Convergence)、拡散したり(Divergence)するプロセスが実務ではごく普通に見られる。従来のアプローチでは、プロセス開始時の工事番号を案件IDとして資材調達までを一気通貫に分析することになるが、途中に集約や拡散が存在していると、実態とはかけ離れたプロセスが再現されてしまう。(例えば、拡散している箇所は単なる繰り返しタスクとして認識されるなど)


 このConvergence/Divergence問題は、プロセスマイニングの分析品質を左右する最大の課題と言える。そこで、近年では、プロセスマイニングのゴッドファーザー、Wil van der Aalst教授が率いる研究者たちが「Object-Centric Process Mining」(1)と称する独自の方法論により当課題の解決に取り組んでいる。 また、myInvenioには、マルチレベルマイニングという機能が実装されており、一つのプロセスについて複数の案件IDを設定することで、プロセスの集約・拡散の状況を加味したフローの再現を実現している。


 今後の進化の方向性

 プロセスマイニングは、データ分析の枠を超えて、業務支援ソリューションとしての役割も果たしつつあることは前述した。ここでは、プロセスマイニングは今後、どのように進化していくのか、俯瞰的な視点で述べてみたい。

3.1 プロセスマイニング1.0

プロセスマイニングは。現状のプロセスをデータから自動再現する「プロセス発見」が基本機能であった。これは、現状をありのままに描きだすという点において「記述的分析(Descriptive Analysis)」である。
ただし、本来やりたいことは、プロセスに潜む非効率性やボトルネックなどの問題個所の抽出である。つまり、どこが悪いのか、を探し出さなければならない。そこで、この部分の処理時間が長すぎる、あるいは繰り返しが多いなど、容易に問題と思われる個所を教えてくれる機能が付加されている。診断的分析(Diagnostic Analysis)に属する機能である。プロセスマイニングツールでは、一般に「根本原因分析(Root Cause Analysis)」と命名されている。
以上は、過去データを対象とする分析機能であり、プロセスマイニング1.0と呼ぶべきものであろう。

図3 プロセスマイニングの進化
プロセスマイニングの機能は、プロセスマイニング1.0から2.0へと大きく進化しつつある

3.2 プロセスマイニング2.0

 プロセスマイニングの分析対象として、未完了、すなわち現在進行中の案件データをリアルタイムに取り込むようになると、逸脱の発見に加えて、現在走っている案件はあとどのくらいで完了しそうなのか、といった所要時間の予測や、将来に発生するかもしれない逸脱の予測も可能になる。こうした予測的分析(Predictive Analysis)が実装されたツールも増えつつある。
 さらには、予測結果に基づいて、所要時間を短縮するために、あるいは将来の逸脱発生を未然に防ぐために、今どのような対応を行うべきかを提案する機能を持つツールも登場しつつある。これは「処方的分析(Prescriptive Analysis)」の機能である。


 こうした未完了データを扱うプロセスマイニング分析は、既存のプロセスマイニング1.0を大きくバージョンアップするものであり、プロセスマイニング2.0と呼ぶことができるであろう。
予測的分析、処方的分析は未成熟であり、その信頼性は必ずしも高いとは言えないが、今後のさらなる技術進展を通じて、ERPなどのエンタープライズシステムに基づく円滑な業務遂行を支援する価値あるソリューションとして多くの企業への導入が進むことは間違いないと思われる。


Latest Process Mining Functionality, Challenges, and Future Evolutionary Trends

1 Latest Functions of Process Mining

Process mining tends to attract attention in terms of technology and tools, but its essence is a theoretical system and methodology (discipline) of data analysis. In fact, as the term “process” mining suggests, it can be considered as a type of data mining. However, unlike data mining, which is a broad concept that targets all kinds of events for analysis, process mining literally targets “processes” for analysis. The basic use of process mining is “process visualization,” and the visualization of processes facilitates the discovery of problems associated with the target processes. As a result, it can play a significant role in process improvement efforts.

1.1 Current Major Functions

As mentioned above, the research of process mining has started from the establishment of the methodology of “process visualization” and the development of tools. It is a function to automatically create a flowchart showing business procedures based on data extracted from IT systems used for business execution, and is called “Process Discovery. Since then, various functions have been implemented as research has progressed and tools have become more sophisticated. The following are the main analysis functions implemented in most of the current process mining tools.

Process Discovery

automatically create a flowchart of business procedures and calculate the frequency of work and time required.

Conformance Checking

compares and analyzes the current process (as-is) discovered based on data with the standard process (to-be), and extracts deviations from the current process.

Dashboards

A function to display the results of aggregation and analysis of target processes from various perspectives in various graphs and tables.

1.2 Latest Functions

In addition, in recent years, the most advanced process mining tools have begun to include the following latest functions.

Business Rule Mining

When there is a flow branching (decision node) in a target process, it automatically discovers the criteria (business rules) that determine the routing based on the data.

Simulation (What-If Analysis)

Simulate how much improvement can be expected by eliminating or automating some of the tasks in the current process visualized by the process discovery function.

Operational Support

For projects that are currently in progress, the system absorbs data related to business execution in real time, detects deviations in business operations, predicts future problems, and alerts the person in charge, suggests the best course of action, or automatically implements improvement measures.

Of the three latest functions mentioned above, business rule mining and simulation analyze past data, i.e., data that has already been completed, while operational support focuses on supporting smooth business execution by sequentially processing data related to unfinished projects. In this sense, it can be said that operational support is a form of IT solution that goes beyond the framework of analysis methodology. For this reason, Ceronis, the largest company in the process mining industry, calls this function “EMS (Execution Management System).

2 Issues to be overcome to make process mining better to be used

As seen in the acquisition of Signavio, a major tool vendor, by SAP and myInvenio by IBM, process mining is increasingly recognized as an important tool that is part of IT solutions. However, there are issues that need to be overcome in order for it to be used properly in business practices and to bring results. In this section, I would like to present the main issues from two perspectives.

2.1 Difficulties in data preprocessing

In data mining, it is said that about 80% of the total time required is spent on data preprocessing such as data collection, extraction, and cleaning. The same is true for process mining. It takes a lot of effort to properly integrate dozens to hundreds of data files extracted from various IT systems, to correct dirty data such as omissions and garbled characters, and to create a “data set” that can be fed into tools for analysis. Factors that make data pre-processing in process mining difficult include the fact that the source of data extraction is various business systems, and thus an understanding of the business systems is necessary. In addition, in order to create a data set to derive analysis results that contribute to business process improvement, it is necessary to understand the business itself and to have some familiarity with business improvement methods.

2.2 Analysis quality of tools

There are two issues that need to be addressed regarding the quality of analysis. One is the limitation of DFGs (Directly Follows Graphs), and the other is the Convergence/Divergence problem.

2.2.1 Limitations of DFGs

The basic function of process mining, “process discovery,” was initially based on Petri nets, but various algorithms have been developed to reproduce flowcharts closer to reality. However, according to industry experts, most of the process mining tools currently in practical use are said to be based on an algorithm called fuzzy miner (each company is believed to have made its own improvements).  

This algorithm is commonly called DFGs (Directly-follows Graphs). Unlike Petri nets and BPMN (Business Process Modeling and Notation), which is the world standard for describing business procedures as flowcharts, DFGs are flowcharts in which nodes are directly connected to each other (directly). In other words, since branching nodes are not drawn, the algorithm cannot grasp where and how the branching is occurring, specifically, whether it is exclusive (OR) or concurrent (AND). For this reason, even if the current process is automatically reproduced, the reality is that the branching is not clear and incomplete. Of course, functional improvements have been made in this regard, such as automatic conversion to BPMN format flowcharts and the adoption of business rule mining as mentioned above.

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2.2.2 Convergence/Divergence Problem

In process mining, three items, “case ID,” “activity (event),” and timestamp, are essential to draw a flowchart by bundling each activity performed for a case processed in the target process. For example, in the case of an invoice processing process, the individual invoice number attached to each invoice and the activities such as “receipt,” “confirmation,” “approval,” and “payment” for that invoice are extracted from the IT system along with the time stamp.

What we often face in the actual process is that there is no single case ID. Let’s take a concrete example. The figure below shows a general image of the process of an engineering company from order receipt to material procurement.

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Since the ordered machine must be manufactured based on the specifications of the ordering company, after receiving the order, the company first designs the machine, then identifies the necessary materials and parts based on the blueprint, and then places an order with the supplier. Since multiple blueprints are created for a single machine, the Blueprint Number is used in the design stage. In addition, the Parts Number is used to identify materials and parts, and at the time of procurement, multiple parts are combined into several parts and a procurement request is issued. In this case, a Procurement Request Number is assigned. In addition, the multiple procurement requests are aggregated to each supplier and an order is placed. In this case, the Order Number becomes the ID for management.

In this way, the processes of convergence and divergence are commonly seen in practice as a single case is processed. In the conventional approach, the construction number at the beginning of the process is used as the case ID, and the entire process is analyzed up to the procurement of materials, but if there is convergence or divergence in the process, a process that is far from the actual situation is reproduced. (For example, the diffused part is recognized as a mere repetitive task.)

This Convergence/Divergence problem is the biggest issue that affects the analysis quality of process mining. In recent years, researchers led by Professor Wil van der Aalst, the Godfather of Process Mining, have been working on solving this problem using a unique methodology called “Object-Centric Process Mining” .

3 Future Direction of Evolution

We have already mentioned that process mining is playing a role as a business support solution beyond the framework of data analysis. In this section, we will discuss how process mining will evolve in the future from a bird’s eye view.

3.1 Process Mining 1.0

Process mining is. The basic function of process mining was “process discovery,” which automatically reproduces the current process from data. This is a “Descriptive Analysis” in that it depicts the current state as it is.

However, what we originally wanted to do was to extract problem areas such as inefficiencies and bottlenecks hidden in the process. In other words, we need to find out what is wrong with the process. Therefore, there is an additional function that can easily tell us where the problem is, such as the processing time of this part is too long or there are too many repetitions. This is a function that belongs to Diagnostic Analysis. In process mining tools, it is generally named “Root Cause Analysis.

The above is an analysis function for historical data, and should be called Process Mining 1.0.

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3.2 Process Mining 2.0

When process mining starts to take in uncompleted, i.e., ongoing, case data in real time as a target of analysis, it becomes possible not only to detect deviations but also to predict how long it will take to complete the currently running case, and to predict deviations that may occur in the future. In addition, it is possible to predict how long it will take to complete a case that is currently running, and to predict future deviations. The number of tools that implement such predictive analysis is increasing.

Furthermore, based on the prediction results, tools that can suggest what actions should be taken now to shorten the time required or to prevent future deviations from occurring are also emerging. This is the function of “Prescriptive Analysis”.

Such process mining analysis that deals with incomplete data is a major upgrade of the existing process mining 1.0, and can be called process mining 2.0.

Although predictive and prescriptive analyses are still in their infancy and their reliability is not necessarily high, it is certain that they will be introduced to many companies as valuable solutions to support smooth business execution based on enterprise systems such as ERP through further technological progress in the future.

プロセスマイニングベンダー最新評価レポート2021 – Everest Group PEAK Matrix(R) 2021

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Process Mining Products PEAK Matrix(R) Asessment 2021

ダラスに本社を置くコンサルティング&調査会社のEverest Groupは、2021年6月4日、主要なプロセスマイニングベンダー18社について、以下の2つの軸での市場ポジショニング(山脈に見立てているので「PEAK Matrix」)を発表しました。

プロセスマイニングについてのEverest Peak Matrixは、2020年版につづいて2年目です。

⇒2020年版はこちらから

横軸:Vision & Ability – Measures ability to deliver products successfully
製品開発ビジョンを示し、それに沿った製品を成功裡に提供できる能力

縦軸:Market Impact – Measures impact created in the market
市場に与えるインパクトの強さ

PEAK Matrixでは、競合製品をLeaders(リーダー)、Major Contenders(主要な競争相手)、Aspirant(上を狙う野望を持つ製品)の3つにカテゴライズします。Process Mining市場では、それぞれのカテゴリーに含まれる製品は次の通りです。

Leaders

  • Celonis
  • Software AG
  • Minit
  • UiPath

Major Contenders(アルファベット順)

  • Apromore
  • Everflow
  • LANA Labs
  • Logpickr
  • MEHRWERK GmbH
  • Monkey Mining
  • myInvenio
  • PAF now
  • QPR Software
  • UpFlux
  • Signavio

Aspirants

  • Integris
  • LiveJourney
  • Live Objects

→Matrix図はこちら

2020年版からの主な変化としては、リーダーグループでは、MinitがMajor Contendersから昇格したことが挙げられます。結果、Leadersに位置付けられたベンダーは4社となりました。

Major Contenders、すなわちリーダーグループに闘いを挑んでいる主要な競争ベンダーについては、前回は8社でしたが、今回は11社と増え、さらに競争が激化しています。まだあまり知名度の高くないMonky Miningや、Upfluxが登場。

また、このところ急速に機能を拡張してきたApromoreが前回よりも高い位置まで登っています。

Aspirantsとしても、新興ベンダーと思われますが、Livejourney、Integris、Live Objectsの3社が登場しました。

なお、日本で本格展開しているプロセスマイニングツールは、Celonis、Uipath、myInvenio、Signavio、ABBYY Timelineの5社です。(ABBYY Timelineが、今回のPeak Matrixから除外された理由は今のところ不明)

レポート詳細は以下から入手可能です。(有料)

Process Mining – Technology Vendor Landscape with Products PEAK Matrix(R) Assessment 2021


【速報】SPARK Matrix(TM): Digital Twin of an Organization (DTO) Solution, 2021 – Quadrant Knowledge Solutions

SPARK Matrix(TM): Digital Twin of an Organization (DTO) Solution, 2021

米国の経営コンサルティング会社、Quadrant Knowledge Solution社の市場調査レポート、「SPARK Matrix(TM): Digital Twin of an Organization (DTO) Solution, 2021」が2021年3月3日に公開されました。

Digital Twin of an Organization (DTO) とは?

Digital Twin of an Organization (DTO)は、一般に、「DTO」、または短く「デジタルツイン」と称されます。DTOは、現実のアナログな企業の形態にそっくりな、デジタルの双子の片割れ、言い換えると「レプリカ(複製)」のことです。

DTOは、より具体的には企業の業務プロセスや、組織体制、システム構成などをデジタルデータに基づいてモデル化し、ディスプレイ上で可視化したものです。企業は、DTOを通じて現状を把握し、問題点を発見し、シミュレーションを行うなどして、最適な改善施策を練り、実行に移すことが可能になります。またDTOによるモニタリング(監視)によって、継続的な改善を行うことができます。

SPARK Matrix(TM):Digital Twin of an Organization (DTO) Solution

今回発表されたSPARK Matrixでは、DTOを実現する各種商用ソリューションを比較分析しています。検討対象となったソリューションは合計16種です。SPARK Matrixでは、これらを以下の3つのカテゴリーに分類しています。

・Technology Leader

・Challengers

・Aspirants

そして、Technology Leaderに含まれるソリューション(ベンダー)は、以下の8種となっています。

・Software AG

・Signavio

・Celonis

・myInvenio

・CANEA

・Cosmo Tech

・QualiWare

・QPR Software

なお、上記ベンダーのうち、Software AG、Signavio、Celonis、myInvenio、QPR Softwareは、プロセスマイニングソリューションの代表的なベンダーでもあります。

プロセスマイニングは、DTOを実現する上で不可欠の機能(次項参照)を提供していることから、DTO市場においても高い存在感を示すのは当然でしょう。

DTOを実現する主要機能

当レポートでは、DTOを実現する主要機能として以下を示しています。

・包括的なデータマネジメント – Comprehensive Data Management

・プロセスのモデリングとビジュアル化 – Process Modeling and Visualization

・シミュレーション – Simulation

・高度な分析 – Advanced Analytics

・リアルタイムモニタリング – Real-Time Monitoring

・継続的なフィードバックと改善 – Continuous Feedback and Improvement

・各種システムとの統合と協調 – Integration and Collaboration

オリジナルレポートはこちらから

【速報】プロセスマイニングトレンド2021 – HSPI Process Mining: A Database of Applications 2021

Process Mining trend – Global 2005-2021 by HSPI Process Mining: A Database of Applications 2021

イタリアのITコンサルティングファーム、HSPIが2018年から毎年発行しているプロセスマイニング事例集の2021年版、「Process Mining: A Database of Applications 2021」が2021年1月27日に公開されました。

詳細はオリジナルのレポートをご覧いただくとして、当記事は全体概要としての統計的集計結果をご紹介します。なお、このレポートはプロセスマイニング導入に関わるコンサルティング会社やプロセスマイニングツールのベンダー企業などに案件情報提供を依頼した結果であり、市場全体を代表するものではありません。

プロセスマイニングプロジェクト件数年別推移

年別のプロセスマイニングプロジェクトの実施件数推移を見ます。2019年に報告件数が減少しましたが、2020年は100件を超え、導入企業が着実に増加していることがうかがえます。

case distribution per year 2005-2020

国別プロジェクト件数(構成比)

次に、過去の全案件について国別のプロジェクト件数の構成比を見ます。

プロセスマイニングは1999年にオランダで誕生し、ヨーロッパ各国で研究、および活用がすすんできたこともあり、ヨーロッパが全体の約半数を占めています。

次いで、米国、韓国、オーストラリアと続いています。

米国でのプロセスマイニング普及は日本とほぼ同時期の2018年ころからですが、良いものには躊躇せず飛び付く米企業らしく、急速に普及が進んでいることが推測できます。

韓国では、韓国企業、Puzzle Dataが独自開発したプロセスマイニングツールが市場をほぼ独占しており、積極的にマーケティング&セールス活動を行っていることから、普及が進んでいるようです。

オーストラリアでは、クィーンズランド大学はじめ、プロセスマイニング研究が盛んで、近年はオープンソースツール、Apromoreが商用サービスを開始したことを背景に着実に導入が進んでいます。

日本の案件は最新版でも含まれていませんが、おそらく2020年だけで数十社がPoC、または本格導入したと推測され、仮に本調査に協力したとしたら上位に位置してくるのは間違いないでしょう。


産業別プロジェクト件数(構成比)

産業別にみてプロセスマイニング導入が多いところはどこでしょうか。

以下の円グラフでおわかりのように、「Industrals」が22%と最も多く、次いでFinancialsが17%、「Healthcare」15%、「Telecommunications」10%と続いています。

「Industrials」には、Aerospace & Defence, Automotive & Parts, Construction & Materials, Electronics, General Industrials, Industrial Engineering , Logisticなどの業種が含まれていますが、大規模組織で、複雑なプロセスを抱える企業のプロセスマイニング導入が進んでいることがうかがえます。

case distribution by industry

オリジナルレポートはこちらから

【速報】Gartner, Market Guide for Process Mining 2020

 米ITアドバイザリ企業Gartnerが、2020年版となる『Market Guide for Process Mining』を2020年9月30日に公開しました。

当記事では主なポイントを速報としてお伝えします。

最新版では、プロセスマイニングができること(Capabilities)がバージョンアップされています。具体的には以下の10個です。これらは、各種プロセスマイニングツールがおおむね提供している、あるいは今後提供を目指していると思われる機能とも言えます。


・プロセス、例外処理、案件、そして従業員の関わりについて自動的にモデル(フロー図など)を作成

・カスタマーとのやりとり、カスタマージャーニーを自動的にモデル化すること、および関連分析

・適合性検査、およびギャップ分析

・プロセスモデルの強化(改善)のための追加的分析(属性を付加した分析)

・データ前処理、データクレンジング、ビッグデータへの対応

・意思決定支援を可能にする、KPIの継続的モニタリングのためのリアルタイムダッシュボード

・予測的分析、処方的分析、シナリオ検証、シミュレーション

・プロセスマイニングアプリケーションを作成できるAPIを提供し、また高度な分析と意思決定支援が行える、様々なプロセスにまたがるプロセスマイニング分析のプラットフォーム

・様々な異なるプロセス間のやり取りや、それら複数のプロセスが同じワークステーションや職場、デスクトップPCでどのように実行されているかの分析

・ユーザーインタラクションログ(PC操作ログ)に基づくタスクマイニング分析


また、Gartnerは、プロセスマイニングが採用されるメインドライバーとして以下の4つを挙げています。

・デジタルトランスフォーメーション – Digital Transformation

・人工知能(AI) – Artificial Intelligence

・タスクオートメーション – Task Automation

・ハイパーオートメーション – Hyperautomation

ハイパーオートメーションとは、ひらたく言えば、RPAなどを用いたタスクオートメーション、ワークフローやiBPMSによるプロセスオートメーション、そしてDigitalOpsによる業務オペレーション全体の自動化をチャットボット、スマーとスピーカー、AI、機械学習などの様々なテクノロジーも組み込みながら実現していこうとするものです。


標準的なプロセスマイニングのユースケースとしては以下の5つが挙げられています。なお、アルゴリズムとは、イベントログからプロセスモデルを自動的に描くために、プロセスマイニングツールに組み込まれているものです。

・アルゴリズムによるプロセス発見、分析によるプロセスの改善

・アルゴリズムによるプロセスの比較、分析、検証による監査、コンプライアンスの改善

・自動化の機会の発見と検証によるプロセス自動化の改善

・戦略と業務を結びつけ、柔軟な組織を生み出すことによる、デジタルトランスフォーメーション(DX)の支援

・アルゴリズムによるITプロセスの発見と分析に基づく、IT業務のリソース最適化の改善


2020年版で示されているプロセスマイニングの代表的ベンダー・ツールは以下の20種類です。

 ABBYYTimeline
 ApromoreApromore
 BusinessOptixBusinessOptix
 CelonisCelonis Intelligent Business Cloud Platform
 Cognitive TechnologymyInvenio
 EverFlowEverFlow
 FluxiconDisco
 IntegrisExplora
 Lana LabsLANA Process Mining (Magellanic), LANA Connect (Rockhopper)
 LogpickrLogpickr Process Explorer 360
 MEHRWERKMEHRWERK ProcessMining (MPM)
 MinitMinit
 Process Analytics Factory (PAF)PAFnow
 Process Mining Groups at TUE and RWTHProM, ProM Lite, RapidProM, PM4Py
 Puzzle DataProDiscovery
 QPR SoftwareQPR ProcessAnalyzer
 SignavioSignavio Process Intelligence
 Software AGARIS Process Mining
 StereoLOGICStereoLOGIC 2020
 UiPathUiPath Process Mining, UiPath Task Mining

レポート内容詳細は、『Market Guide for Process Mining』の原文を参照ください。

HFS Top 10 Process Intelligence Products 2020 – プロセスマイニングツールトップ10 (2020)

HFS report on Top 10 Process Intelligence Products

米ITサービス調査会社大手のHFS Researchが、2020年9月、「HFS Top 10 Process Intelligence Products 2020」と題したレポートを発行しました。

HFSでは、40人を超える業界のリーダーたちにインタビューを行い、有望なプロセスインテリジェンス製品として14製品を選出しました。そして、大きくは、「革新(Innovation)」、「実行(Execution)」、「顧客の「声(Voice of the customer)」の3つの切り口で14製品を評価し、ランク付けを行いトップ10を決定しています。

総合評価ランキングは以下の通りです。

1位 Celonis

2位 minit

3位 Fotress IQ

4位 UiPath

5位 KRYON

6位 pafnow

7位 LANA

8位 myInvenio

9位 QPR

10位 ABBYY Timeline

HFSにおける「プロセスインテリジェンス」は、プロセスマイニング、およびタスクマイニングの両方のソリューションを含んでいます。上記トップ10ベンダーのうち、「Fortress IQ」、および「KRYON」は、タスクマイニングソリューションです。

上記プロセスマイニングベンダーのうち、CelonisやmyInvenioは、タスクマイニング機能の拡張を行っています。他のベンダーでも、タスクマイニング機能の拡張を図っているところがあります。

当レポートの詳細はHFSのサイトを参照ください!

→ https://www.hfsresearch.com/research/hfs-top-ten-process-intelligence-products-2020/

ランキング表はこちらから閲覧できます。

プロセスマイニングツール評価レポート – NEAT Report:Process Discovery & Mining 2020 (NelsonHall)

NEAT Evaluation Report: Process Discovery & Mining 2020 by NelsonHall

IT、ビジネスサービス業界を対象とする調査分析会社、NelsonHall社が、プロセスマイニング市場の主要ベンダーについての評価レポート(NEAT: NelsonHall Vendor Envaluation & Assessment Tool)を6月2日に公表しました。

ツールの評価ポジショニングマップを引用することは難しいため、言葉での説明に留めます。ポジショニングマップをご覧になりたい方は、本文末尾の参照元をご覧ください。

さて、ポジショニングマップにおける評価の2次元は、横軸が「将来のクライアント要件に対応する能力」、縦軸は「今すぐのベネフィットを提供できる能力」です。この2軸からポジショニングマップは4象限に区分されています。右上がリーダー、右下がイノベーター、左上がハイアチーバー(高達成者)、左下がメジャープレーヤーの区分です。

評価対象となったベンダーは以下の15社です。各種業務システムから抽出したイベントログを対象とする分析ツールだけでなく、PC操作ログを対象とする分析ソリューションを提供するベンダーも含まれています。このため、Gartnerのプロセスマイニング・マーケットガイドで紹介されている主要ベンダーとは多少違いがあります。

1 ABBYY

2 BusinessOptix

3 Celonis

4 EdgeVerve

5 Kryon

6 Lana Labs,

7 myInvenio

8 NICE Systems

9 Process Diamond

10 QPR Software

11 Signavio

12 Skan

13 Software AG

14 UiPath

15 UpFlux

上記ベンダーのうち、ポジショニングマップのリーダー象限には、Celonis、Software AG、ABBYY、UIPathが位置付けられています。イノベーターには、QPR、Signavio、NICE、ハイアチーバーとしてはmyInvenioが置かれています。

詳細は、NelsonHall社のWebサイト、およびCelonis社のコンテンツをご確認ください。

Process Discovery & Mining 2020 NelsonHall NEAT Analysis

Celonis Named a Leader i NelsonHall NEAT Assessment: Process Mining, Process Discovery, Process Automation, Workforce Automation

プロセスマイニングベンダー最新評価レポート2020 – Everest Group PEAK Matrix(R) 2020

evelest

Process Mining Products PEAK Matrix(R) Asessment 2020

ダラスに本社を置くコンサルティング&調査会社のEverest Groupは、2020年2月26日、主要なプロセスマイニングベンダー13社について、以下の2つの軸での市場ポジショニング(山脈に見立てているので「PEAK Matrix」)を発表しています。

→ 2021年版(2021年6月4日リリース)の速報はこちらから

横軸:Vision & Ability – Measures ability to deliver products successfully
製品開発ビジョンを示し、それに沿った製品を成功裡に提供できる能力

縦軸:Market Impact – Measures impact created in the market
市場に与えるインパクトの強さ

PEAK Matrixでは、競合製品をLeaders(リーダー)、Major Contenders(主要な競争相手)、Aspirant(上を狙う野望を持つ製品)の3つにカテゴライズします。Process Mining市場では、それぞれのカテゴリーに含まれる製品は次の通りです。

Leaders

  • Celonis
  • Software AG
  • UiPath(旧ProcessGold)

Major Contenders(アルファベット順)

  • ABBY Timeline
  • Apromore
  • LANA Labs
  • Logpickr
  • Minit
  • myInvenio
  • PAF now
  • QPR Software

Aspirants

  • Everflow
  • Puzzle Data

→Matrix図はこちら

市場リーダーのCelonisは既に社員数800人を抱え、大型の資金調達にも成功して「ユニコーン」としても認められる存在。そして、リーダーグループの一角を占めるSoftware AGは、「ARIS」のブランドで知られ、「ARIS Process Mining」の販売にも力を入れてきています。また、先ごろ買収したProcessGoldを「UiPath Process Mining」と名称を変え、UiPathが強みを持つRPAを含んだトータルソリューションとして提案力を強化しています。

Major Contender、すなわちリーダーグループに闘いを挑んでいる主要な競争ベンダーはまさに群雄割拠という状況。なお、私が把握している限りですが、日本においてなんらか連絡先があるのは、ABBYY Timeline、LANA Lab、myInvenioの3つだけです。

Aspirantsは、虎視眈々と上を目指してがんばっているベンダーというところでしょうか、韓国で独自開発され、韓国企業での導入実績を増やしているPuzzle Dataが取り上げられているところが興味深いです。

Gatnerの市場ポジショニングマップである「Magic Quadrant」のプロセスマイニング市場版がまだ発表されていない状況( 2020年2月)で、PEAK Matrixは、市場を概観できる良いレポートですね。

レポート詳細は有料となるようですが以下から入手可能です。

Process Mining – Technology Vendor Landscape with Products PEAK Matrix(R) Assessment 2020


プロセスマイニングツール – 日本 Feb2020

Available process mining tools – Japan Feb2020

当記事では、2020年2月時点で、日本において利用可能なプロセスマイニングツールをご紹介します。

留意していただきたいことがあります。「ツールを利用する」ということだけであれば、日本に拠点や代理店がなかったとしても、直接ベンダーに連絡すればライセンス購入可能です。しかし、プロセスマイニングツールは高度で複雑なツールです。「ちょっとお試し」、だったとしても残念ながら、そう簡単には使いこなせません。

そもそも、業務プロセス改善を目的とする「プロセスマイニングソリューション」の観点からは、ツールの操作方法の最低限のトレーニングに加え、データ前処理、分析結果の解釈など、専門性の高い人材が不可欠です。

多くの企業では、自前の人材だけでプロセスマイニングを導入して成果を出すことは難しいと思いますので、日本企業に対して、ツール操作トレーニング、データ前処理支援などのプロフェッショナルサービスを併せて提供してくれる代理店なりコンサルティング会社の存在があるツールのみをここではご紹介します。

とういうわけで、現在日本において、比較検討が可能なプロセスマイニングツールは以下の4つです。なお、以下は公開された情報に基づいています。ここに掲載がなく、「当社のツールも日本での販売開始してます」「うちも代理店として扱ってるよ」という会社様はお知らせください。

セロニス(Celonis)

日本法人あり。アビームコンサルティングなど、大手コンサルティング会社とグローバルなアライアンス契約を結んでいる。日本語ローカライズ済。

→ Celonis

マイインベニオ(myInvenio) 

独占販売契約を結んでいるハートコアがライセンス販売に加え、トレーニングをはじめ、各種プロフェショナルサービスを提供。日本語ローカライズ済。

→ ハートコア株式会社(日本総代理店)

シグナビオ(Signavio)

イントラマート社が、Signavio Process Miningを活用した「DXアプローチメソッド」を提供。日本語ローカライズ済。

→ 株式会社NTTデータ イントラマート(パートナー契約)

アビー・タイムライン(ABBYY Timeline)

OCR製品で知られるABBYY社が提供するプロセスマイニングツールです。日本語ローカライズ済。

→ ABBYY 日本

ラナ・プロセスマイニング(LANA Process Mining) 

リグリット・パートナーズが、ラナ・プロセスマイニングを活用した「オペレーションアセスメントサービス」を提供。日本語ローカライズ済。

→ 株式会社リグリット・パートナーズ(パートナー契約)

プロセスマイニングツール – グローバル Feb2020

Process mining tools – global Feb2020

現在、世界にはどんなプロセスマイニングツールがあるのか概観してみましょう。

2019年の時点で、大小合わせて30以上のプロセスマイニングツールが世界には存在していると考えられます。 米ITアドバイザリ企業Gartnerが2019年6月に発表した、『Gartner, Market Guide for Process Mining, Marc Kerremans, 17 Jun 2019』においては、代表的なベンダー・ツールが19種類挙げられています。

  • Apromore – Apromore
  • Celonis – Celonis Process Mining
  • Cognitive Technology – myInvenio
  • Everflow – Everflow
  • Fluxicon – Disco
  • INTEGRIS Explora
  • Lana Labs – LANA Process Mining – Magellanic
  • Logpickr – Logpickr Process Explorer 360
  • Mehrwerk AG – MEHERWERK ProcessMining (MPM)
  • Minit – Minit
  • Process Anaytics Factory – PAFnow
  • Process Mining Groups at TUE and RWTH – ProM, ProM Lite, RapidProm M, PM4Py
  • Process Gold – ProcessGold
  • Puzzle Data – ProDiscovery
  • QPR Software – QPR ProcesAnalyzer
  • Signavio – Signavio Process Intelligence
  • Software AG – ARIS Process Mining
  • StereoLOGIC – StereoLogic Process Analysis
  • TimelinePI – Process Intelligence Platform *2019年にABBYY社が買収

さて、これらのうち、グローバルなマーケティング&セールス活動に積極的と感じられ、Webサイトを通じて有益な情報を提供しているとして、私が日ごろからチェックしているのは、以下の10のツール・ベンダーです。

プロセスマイニングはまだ新しい市場であるため、ベンダー各社のライセンス販売本数や売上もほとんどが非公開、調査会社による市場シェア等は当てになりません。とはいえ、Celonisが市場リーダーであることは間違いなく、2番手にCognitive Technology、さらにLana Labs、ProcessGold、 Minitなどがそれぞれがんばっているという状況だと推測しています。

ユニークな存在としては、オープンソースのApromoreが挙げられます。同じくオープンソースのProMは主に学術的研究に利用されているのに対し、Apromoreは企業での活用も増えており、大規模ユーザーへの有償版の提供も始まっています。

なお、ProcessGoldは、2019年末、RPAベンダーのUiPathに買収され、同社の製品ラインアップのひとつとして販売される形となりました。このため、2020年3月に、「UiPath Process Mining」という名称に変更されています。

プロセスマイニングトレンド – グローバル 2005-2019

Process mining trend – global 2005-2019

日本では2019年初頭から本格展開が始まったプロセスマイニング。2020年は、本格導入する日本企業が続々と登場しそうな状況です。

さて、1990年代末に欧州・オランダで生まれたプロセスマイニングですが、2010年代から普及が本格化し、2018年以降はRPAに続くITトレンドとしてブームの様相を呈しています。

プロセスマイニング市場はまだまだ新しいため、市場全体を把握できるデータや資料がほとんど存在しません。そんな中、イタリアのITコンサルティング会社、「HSPI Management Consulting」が2018年から毎年発行している「Process Mining: A DATABASE OF APPLICATION」は、プロセスマイニングプロジェクト件数ベースでの概要を伝えてくれる貴重な調査資料です。

当記事では、上記調査資料の最新版、2020 Edition(2020年1月20日公開)の一部をご紹介します。なお、以下に示すデータは、世界各国のプロセスマイニングツールベンダーや、プロセスマイニング導入を支援するコンサルティング会社等に協力を仰ぎ、任意に提出された過去のプロジェクトの件数や概要に基づくものです。調査に協力していないベンダー、コンサルティング会社等のプロジェクトはカウントされていない点にご留意ください。

年別プロジェクト件数推移

まずは、年別のプロセスマイニングのプロジェクト件数の推移を見ましょう。以下のグラフからわかるように、2011年からの伸びがめざましく、2019年は100件に届こうとする勢いです。昨年2019年は75件と減少していますが、HSPIによれば今回の調査時期が2019年秋だったため、未完了プロジェクト分がレポートされたためだろうと述べています。2021年版で明らかになりますが、実際には、2019年の年間プロジェクト件数は100件を大きく超えていると思われます。

産業別プロジェクト件数

次に、2005-2019年の総プロジェクト件数551件の産業別の内訳を見てみましょう。最も多いのは、航空、自動車、建設、物流などの業界で21%。航空業界だと、エアバス、ルフトハンザ航空、また自動車業界では、BMW、PSI、フェラーリ、ポルシェなどがプロセスマイニングに取り組んでいることが知られています。

次いで、「銀行・保険」で17%。様々な手続きに係る社内業務が煩雑であることから、コスト削減余地が大きい業界だからでしょうか。

3位につけているのは「医療・医薬」で16%です。プロセスマイニングは、初期の頃、病院での医療行為(医療検査など)への適用事例が多く報告されていますが、近年は製薬会社での導入も進んでいます。

地域・国別プロジェクト件数

地域・国別のプロジェクトの構成比については簡潔に触れるに留めます。プロセスマイニング発祥の地、欧州が最も多く37.9%を占めています。次いで、米国5.0%、ブラジル4.0%、オーストラリア38%と続いています。

プロジェクト対象プロセス・目的

この調査資料は、DATABASE OF APPLICATIONとあるように、各プロジェクトについて、企業名(匿名の場合もある)、業種、プロジェクト概要が収録されています。簡潔なプロジェクト説明ですので詳細はもちろん推測するしかないのですが、価値ある事例集だと言えます。

2019年の最新事例をざっと眺めてみると、従来から多かった購買プロセス(P2P: Procure to Pay)、受注プロセス(O2C: Order to Cash)や、ヘルプデスクのITSMプロセス以外の多様なプロセスへと適用が広がっているのがわかります。また、RPAによる自動化を目的に、タスクレベル分析、すなわちタスクマイニングの事例もいくつか登場していることが特筆できるでしょう。

当調査資料(PDF)は、無料でダウンロードできます。

→ Process Mining: A DATABASE OF APPLICATIONS 2020 Edition (HSPI)