Process Model Canvas – プロセスモデルキャンバスとは?

What is Process Model Canvas?

当記事では、「Process Model Canvas – プロセスモデルキャンバス」の概要をご紹介します。

まずは、プロセスモデルキャンバスの兄貴分とでも言える「Business Model Canvas – ビジネスモデルキャンバス(以下、BMC)」の解説から始めます。

BMCは、ビジネスモデルの全体像、すなわち基本戦略を整理するためのフレームワーク(枠組み)です。しばしば、新規事業の立ち上げにおいて、事業全体の設計に用いられます。もちろん、現在の自社のビジネスモデルはどのようなものかを理解するためにBMCを活用することもあります。

BMCは、「Canvas」という言葉でイメージできるように、下図に示した長方形の枠組みの中に9つの構成要素が含まれています。そして、それぞれの要素について、新規事業であれば、個々の要素についてどのように事業を組み立てるか、という基本戦略を検討し、落とし込んでいきます。

The Business Model Canvas

1 Key Partners(主要パートナー)
2 Key Activities(主要活動)
3 Key Resources(主要資源)
4 Value Propositions(提供価値)
5 Customer Relationships(顧客との関係)
6 Channels(販売チャネル)
7 Customer Segments(顧客セグメント)
8 Cost Structure(コスト構造)
9 Revenue Streams(収益の流れ)

さて、「BMC」作成の次の段階において有効なフレームワークが、「Process Model Canvas、以下PMC」です。

PMCは、BMCで策定したビジネス戦略を実行に移せるよう、具体的な業務プロセスを検討・設計するために用いるキャンバスです。すなわち、BMCの9つの構成要素のうち、「2 Key Activity(主要活動)」について、より詳細な業務の流れを策定することに焦点を当てます。

簡単に言えば、「4 Value Proposition(提供価値)」を実際に、どのように顧客に届けるのか、ということを考えるということです。

さて、PMCのフレームワークは下図のようなものです。

Process Model Canvas

process model canvas

このキャンバスにおける重要なキーワードは、上部に示された「Why」、「What」、「Wow」です。

「Why」では、そもそも私たちはなぜ、なんのためにこの事業に取り組むのかを明快に定義します。大きな志や夢ともいえるビジョンや目指すゴールなどが含まれるでしょう。

「What」では、Whyを具現化するためのフロー(左から右へ)を検討します。

「Wow」とは、「うれしい驚き」「感動するような喜び」といった意味ですが、顧客に対してこのようなポジティブなインパクトを与えることがPMCの目指すべきゴールとなっています。

PMCを用いてどのように業務プロセスを検討していくのかの詳細については、屋Webサイト(processmodelcanvas.com)や、開発者らのプレゼン資料(末尾参考資料参照)をご確認ください。

PMCは、ゼロベースでの新規事業立ち上げ時や、プロセスマイニングで現状プロセス(as isプロセス)を把握した後に、改善されたプロセス(to beプロセス)の検討において活用できる有効なフレームワークです。

PMCは、日本ではまだほとんど知られていませんが、Process Mining Initiativeにおいて、より具体的な方法論なども今後ご紹介していきたいと考えています。

[参考資料等]

Website – Process Model Canvas http://processmodelcanvas.com

Slideshare – Process Model Canvas – The Next Step